この先100年、ずっと最先端なラボ

建築設計|パナソニック ホールディングス 研究開発拠点 Technology CUBE

FEATURES01

この先100年、ずっと最先端なラボ

本計画は、パナソニックの多様な技術領域を集約した研究開発拠点の計画です。松下幸之助ゆかりの地において、未来のイノベーションを受け止めながら、フレキシビリティ、サステナビリティ、そしてクリエイティビティを受け入れる「実験装置としての建築」を構想しました。 その中で試みたのは、「千変万化する要望に変幻自在な建築で応える」こと、そして「今の価値観だけでつくらない」こと。従来の研究施設では、面積や組織を先に定め、働き方やニーズを早期に固める手法が重視されてきましたが、その一方で急激な変化に対応しきれない側面もありました。
後からいかようにも更新ができることに価値を見出し、更新し続けながら長く使える建築を目指して、論理的に決め切られた「強い図式」から、直感や主体性を受け止める「緩い図式」への転換で「この先100年、ずっと最先端なラボ」の実現を試みました。

グリッド天井を使って、どこでも仕上や設備を変更することができる

FEATURES02

進化型のアダプティブな研究所プラン

8階建ての建物は、上層で⽣まれた発想を中層で技術検証し、下層で製造検証へとつなげ、社会へ展開していく動線を描いています。 また、3階以上の基準階は基本構成を統⼀することで、将来にわたってオフィスにもラボにも柔軟に転⽤できる計画としました。こうした可変性を⽀えるため、約80m四⽅の平⾯は南北・東⻄ともに3分割とし、荷重や振動に配慮した合理的な9mスパンで整えています。東⻄コアをつなぐサーキット廊下は7.2mスパンとすることで梁せいを抑え、基幹設備を効率的に巡らせています。 これにより、空調・配管・電気といったインフラ設備を各所で⾃由に分岐できるとともに、バックアップ性を確保しました。

 

研究棟は敷地の南東端に配置し、西側の既存インフラとの接続や、将来新たな研究棟を増築した場合の連続性を見据えて計画しました。東西に外調機置場を備えたツインコアを配置することで、設備の更新に配慮しつつ増築時の動線の連携に対応しやすい計画としました。南北には研究設備増設や機器更新に対応できる将来設備スペースを兼ねたサブメカニカルバルコニーを設け、長期的に自由度の高い研究空間を実現しました。

南北面サブメカニカルバルコニー
研究設備増設用のバルコニーを設け、長期的な内部研究スペースの自由度を確保

東西面メカニカルバルコニー
将来の研究棟拡張に向けて動線、設備の連携を見据えたコアが現れた東西面ファサード

FEATURES03

どこでもラボを実現する「グリッド天井」

基準階全域に敷設した鋼材による900㎜ピッチのグリッド天井は、遮⾳・気密・区画・排煙・採光などの条件に応じて、建材から実験設備まで多様なものを柔軟に固定することができる仕組みとしています。これにより、⼤掛かりな設備改修を⾏うことなく、必要に応じて即座にプランを再構築できる「どこでもラボ」を⽬指しました。
設計者・使い⼿・つくり⼿の全員が、ルール・ロール・ツール・モジュールを横断的に活⽤することで、この仕組みを実現しました。

 

吹抜に⾯したキッチンとプロジェクトルーム

ハウスインハウスの会議室

可動パーテーションで囲われたスタジオ

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さまざまな営みを受容する舞台装置

中央には4層吹き抜け空間を設け、ハイサイドライト、立体格子壁、階段、回遊動線などを配置しています。それらを活用して様々な居場所を構築し、「NATURE SQUARE」と命名しました。研究者同士の交流に加え、協業企業や他部門との連携など、多様な活動を受け止める共創の場としました。また、実証実験やイベント、将来の研究テーマの変化など、その時々に求められる活動に柔軟に対応できる空間構成としています。建物完成時の利用方法にとどまらず、時代とともに使い方を更新しながら、100年先まで研究活動を支え続ける環境を目指しました。

中央吹抜「NATURE SQUARE」

階段踊り場と居場所を兼ねた「桟敷」

8階から⾒た桟敷の様⼦

5-8階 NATURE SQUARE東西断面

佐藤 達保

坪田 一平

野田 裕介

山内 慶

内山 元希
(構造設計)

小山 健太郎
(設備設計)