日本初、バーチャルセンサーを用いた
XR技術(デジタルツイン)による空調制御
設備設計|XR技術
FEATURES01
日本初のXR技術で大空間を空調制御
大空間の効率的な空調制御を実現するために、日本初となるXR(現実世界とコンピューターがつくり出す世界を組み合わせる技術)を活用した手法を開発し、名古屋市国際展示場 第1展示館に適用しました。これは、実際のセンサーとバーチャルセンサーとを併用し、デジタルツイン※1を構築することで実現しました。
大空間における空調制御の難しさは、その空間の性質上、温度制御をするためのセンサー配置場所が、内周壁面などに限られ、壁面から離れた中心部などにはセンサーが設置できない事です。このため、壁面に設置したセンサーにより空間全体を空調制御しますが、センサーから離れた範囲に、空調負荷となる熱の発生量にバラツキがある場合、この熱を直接測定出来ない為、快適さにもバラツキが生じ、必要以上に空調エネルギーを使ってしまうという問題がありました。
初適用した建物(名古屋市国際展示場 第1展示館) 撮影:エスエス名古屋
この問題を解決するために、コンピューター上にバーチャル空間を作成、実際に設置した温度センサーなどからの測定情報を取り込み、シュミレーションを実行することにより、大空間内に膨大な数のセンサーを取り付けたのと同様な空調制御を実現できる、日本初のデジタルツイン環境を創出しました。これにより、センサーを数多く設置することができない大空間でも、細かい部分まで配慮した空調の制御を可能としました。
FEATURES02
バーチャル空間とリアル空間の融合
この方法を取り入れた建物では、仮想空間上で対象とするリアル空間を多数(数十万個)の小さな区域に分け、それぞれの区域をバーチャル測定点として活用します。実際に設置した温度センサーなどから測定データを集め、バーチャル空間で温度や空気での流れの計算と、空気の状態の快適さを判断する指標PMV※2の計算を行った後、その計算結果を実際の空調機器に送って制御を行うという一連の流れを、非常に短い時間サイクルで繰り返して制御の指令を行います。また、バーチャル測定点からの情報と、実際の温度の測定値とを比較検証した結果、高い精度があることを確認しています。
本手法のデジタルツインの概要
FEATURES03
デジタルツインによる脱炭素の実現
本手法を初適用した建物では、デジタルツインをもとに空調機器へ制御指示を行うことで、場所によって熱の発生に差がある大きな空間でも、心地よい環境を保ちながら、かつ空調に使うエネルギーを最大70%減らせることがわかりました。
このように、デジタルツインを活用することで、少ないセンサーでも多数のセンサーを用いた場合と同等以上の空調機能を実現することができ、ランニングコストの大幅な削減を見込める手法を開発・実現しました。
こうした実績をふまえ、今後も本手法を他の建物計画に順次展開して快適な空間づくりと脱炭素社会の構築に貢献していきます。
空調の省エネ効果