

イノベーションの場によみがえる街のランドマーク
伝統建築|堀ビル
FEATURES01
創発拠点としての保存活用
1932年に誕生した建築金物の製造販売を行う堀商店の、近代東京の商業地区における都市住居の系譜を知る上でも貴重な建物をオープンイノベーション等の創発拠点となるシェアオフィスとして保存・活用する事業です。
当初、建物所有者は「建替え」「売却」も検討されていましたが、建物所有者の建物を残したいという想いに加え、「保存」による一定の経済合理性が得られ、「保存活用」が選ばれました。
建物外観
断面イラスト
FEATURES02
特徴的な室内外意匠の保存と再生
東京新橋の地にて、長年にわたって親しまれてきた建物の歴史性を継承するために、建物がもっている本来の力を引き出すデザインを心がけました。
外装はテラコッタタイルや石の装飾をピンニングとエポキシ樹脂により強固に固定することで、デザインは継承しつつ、外壁の性能を向上させています。
また、階段室には改修されて塞がれていたトップライトを再生し、自然光あふれる快適な室内環境をよみがえらせました。
性能向上に加え、継承した外観
トップライトを蘇らせた階段室
FEATURES03
既存品の有効活用による新たな価値創出
歴史を継承するだけでなく、未来を見据えた新たな価値を付加することが重要であり、そのためにこの建物を良く知り、この建物が活用されていく未来の姿を深く考えました。
創建時の愛着ある照明の位置を主動線の変更に合わせて移設することで、シェアオフィスの新たな象徴性を生み出し、また共用部廊下の間仕切りとして設置されていた既存の唐草格子を廊下の天井装飾として再利用し、新たな空間の価値を生み出しました。
既存格子を利用した天井装飾
個室オフィスと窓枠に合わせた全熱交換機能付き換気装置
FEATURES04
既存躯体と装飾を活かした知的創造空間
既存の力強い躯体のかたちと装飾を活かしながら、新たな内装デザインを付加することで、1階はコワーキングラウンジのオープンスペース、2~4階は個室オフィスとして知的創造性を高めるオフィス空間を実現させました。
和室の居間は、天井仕上や造作は保存し、会議室として活用しました。ワークスペースとして知的創造性を擽るように、新旧のコントラストをあえて際立たせるようなデザインを心がけました。
既存躯体を活かした1階コワーキングラウンジ
既存の意匠・仕上を活かした個室オフィス
和室の天井仕上や造作を保存した会議室
FEATURES05
歴史的建造物と安全性の向上
長年建物所有者によって大切に使われてきた建物の意匠上の価値を損なわずに、安全対策の措置として耐震補強を行うことは大きな課題でした。
検討を重ねた結果、当社が開発した蝶々型ブロックを用いる「エストンブロック工法」を、1階コワーキングラウンジの奥まった位置に現しで用い、既存意匠を損なうことなく利用者への視覚的安心感の確保を実現させました。
蝶々型ブロックを用いる「エストンブロック工法」の壁