日本の“社会課題先進地”北海道の
課題解決に挑む共創の森

ワークプレイスプロデュース|エア・ウォーターの森

FEATURES01

限りない潜在力と
可能性を持つ北海道を舞台に、
社会課題に取り組む
サード・ワークプレイス

札幌の中心地に立つエア・ウォーターの森は、エア・ウォーター北海道(AW北海道)が中⼼となり、北海道や各市町村、⼤学、企業、スタートアップが相互に協働・連携・共創するためのオープン・イノベーション・ハブ です 。大学や企業が入居するラボエリア、コワーキングエリアの他、レストランやキッチンラボを備えています。

北海道は、国内最⼤の⾷糧供給地であり国内随⼀の再⽣可能エネルギーの豊富さという⼤きなポテンシャルがあります。その⼀⽅で、⼈⼝減少・広域分散型社会、医療サービス偏在、⾼齢化による健康不安、林業・森林資源需要変化、農業・畜産⾼齢化、海洋環境変化・漁獲量減少などの、さまざまな地域の課題を抱え、⽇本の“社会課題先進地”とも⾔われています 。

ここでは、それら課題解決のためのビジネスエコシステムを構築することを目的としています。具体的には「農業と⾷」「カーボンニュートラル」の2つのテーマを主軸とし、「持続可能な社会の実現」と「安全・安⼼で豊かな暮らしの実現」につながる新事業の創出を目指しています。

事業コンセプト※

エア・ウォーターの森におけるビジネスエコシステムづくりの取組み※
※エア・ウォーターの森HPより

FEATURES02

くらしとつながる街の広場

エア・ウォーターの森は、札幌市中⼼部からのアクセスが良く、職住近接の環境が幅広い年齢層から⼈気が⾼まっている桑園エリアにあります。北⼤や市⽴病院も近接するため、共同研究やウェルネス事業連携等がしやすく、市⺠を巻き込んだ農⾷実証事業などにも取り組みやすい敷地環境にあります。

市⺠やビジネスパーソンのサード・ワークプレイスとして⼈々に親しまれ、利用しやすくするため、1階に出入り自由なオープンスペースを配置。⼈が滞留し、社会実証実験やイベントが催し易い計画としました。外構や屋上ガーデン広場もまた市民に開放し、多様なアクティビティを生み出すことができる設えとしました。

市中心部へのアクセス・職住近接環境として注目される桑園エリアに立地

FEATURES03

ステークホルダーを巻き込み社会課題を解くイノベーションを加速させる場と仕組み

本施設は北海道の特⾊・地域課題にコミットする場として、AWの農・⾷事業の取組みや脱炭素・再⽣可能エネルギー事業への取組みなどを社会へ発信し、実装・実証をする場です。

そのため、1階・R階は地域・市⺠に開かれ、外部からの利⽤と滞留を狙って、AW北海道が⽣産する⾷品を使ったカフェレストランを設置するほか、道内各⾃治体のマルシェ等の農・⾷イベントフードテック、脱炭素ビジネス等のイベントを⼤規模に行うことができるホールを中心とした構成としました。

また、2・3階は、全国のサード・ワークプレイスやコワーキングスペースの調査、分析を通じて 、企業集積する大都市圏とは違って⼩規模事業者の割合が相対的に⾼い札幌市内に開設するに相応しい施設プログラム構成を検討しました。具体的には、個室型オフィスの⽐率より、オープンな⼤部屋コワークオフィスの⽐率を⾼め、スタートアップや⼩規模事業者等、少⼈数からの利⽤・⼊居契約が可能なワークプレイスとしています。さらに、ステークホルダーを結び付けてイノベーションを加速させるため、「コミュニケーター」をAW北海道の社内公募で組織化し、⼈・事業をマッチングさせる役割を果たす仕組みとしています。

4階AWグループオフィスは、2・3階で芽が出た事業企画を具体化する役割を果たす場として計画。事業企画・事業部を中⼼にAW北海道・AWグループ会社から選抜して⼊居し、協働する場としています。

そして、各階は中央吹抜け;インナーガーデンを介して有機的につながり、様々な活動を受け容れ、イノベーションを育みます。

施設概要

FEATURES04

新たなビジネス創出のための
道内自治体との連携強化の取組み

AW北海道は、道内⾃治体による社会課題解決に対する寄付⽀援制度 「ふるさと応援H(英知)プログラム」を実施しており、⾃治体の状況をリアルタイムで、ステークホルダーに伝えるべく協⼒市町村を募集し、エア・ウォーターの森で各⾃治体の課題を確認・抽出しています 。

エア・ウォーターの森は、各階の多様な機能・場を使ってステークホルダーのアイデア・⼈・リソースを集約し、「コミュニケーター」が媒介となってそれらイノベーションを生むための要素を掛け合わせ、プロジェクト化 ⇒ 社会実装 ⇒ 事業化のプロセスを経て北海道に還元していくハブとなり、道内⾃治体とともに北海道の活⼒を⾼めていきます。

これら⾃治体や住⺠に開かれた活動を⾏う場として、インナーガーデンを中⼼に、可動間仕切壁の全⾯開放によりインナーガーデンと⼀体化するホール等、1階全体を可変性の⾼い⼤らかな「広場」として提供し、⼈びとの活発な活動・交流を育みます。

北海道の課題解決のためのプロセス

FEATURES05

北海道の森の温もりを感じながら働く

本計画は、北海道産カラマツ100%使用の耐火集成木材(燃エンウッド)を採用し、その端材を二次利用(サイン、床目地、棚板)するなど、積極的に「森林グランドサイクル」を軸に据えたサーキュラーデザインに取り組んでいます。

戸外で快適に過ごせる期間が短い寒冷地においても、通年で明るい陽射しと北海道の樹の温もり、風と緑を感じつつ、あたかも戸外にいるような感覚で健やかに働けるよう、積極的にインテリアグリーンや木質家具を導入したバイオフィリックなワークプレイスづくりに取り組んでいます。

カラマツの森につつまれながら働く3階オフィス

トップライトからの光で明るいインナーガーデンに各フロアがつながる

「森林グランドサイクル」の一環として、ワークプレイスを構成する家具は、リフレッシュやミーティングコーナーの家具天板等にオフィス家具メーカーとコラボレーションした道産木積層合板を使用し、旭川家具組合とタイアップした道産木製家具を積極的に導入することで、サーキュラーデザインの思想を取り込んだワークプレイスづくりに挑戦しています。

道内で道産材製材加工

オフィス家具メーカー&旭川家具組合タイアップ木製家具の全フロア積極導入

夏目 英行

北海道支店 設計部

垣田 淳