ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
目次
Ⅰ.推進のあゆみ
竹中工務店のDE&I推進の歴史
当社のDE&I推進の歴史は、1988年の女性総合職採用に始まります。以来、女性活躍推進を基点としたポジティブ・アクションを展開し、女性役付職比率や女性技術系従業員比率の向上に努めてきました。
2017年からは、ワークライフバランスの向上を全社的な取り組みとして位置づけ、多様性の尊重と柔軟な働き方の実現を目指してきました。
これは単なる労働時間の削減ではなく、従業員一人ひとりが能力と専門性を存分に発揮できる環境づくりを目的としています。
新たなステージへ:DE&I推進部の設置
2024年7月、当社は経営企画室内にDE&I推進部を設置しました。これは、性別や年齢、国籍だけでなく、価値観や生活環境の多様化に対応し、より包括的なDE&I推進を目指す新たな一歩です。
当社では、この取り組みを通じて、多様な背景や経験を持つ全ての従業員が、それぞれの個性や状況に関わらず、互いを尊重し合い、各自の潜在能力を最大限に発揮できる職場環境の創出を目指しています。特に、エクイティ(公平性)の実現に重点を置き、個々の従業員の異なるニーズや課題に応じた適切な仕組みづくりを行うことで、真の意味での公平性を確保します。
一人ひとりがやりがいを感じ、自己実現と長期的なキャリア経営を両立できるい組織を構築することで、竹中工務店の未来、そして社会の持続可能な発展に貢献していきます。
Ⅱ.推進方針・計画
DE&I推進の背景と意義
グローバル化の加速、テクノロジーの急速な進化、働き方の多様化など、私たちを取り巻く環境は急速に変化しています。このような時代において、多様性を受け入れ、それを活かす組織づくりは、企業の持続的な成長と革新的な価値創造に不可欠です。
当社においては、DE&I推進を単なる社会的要請への対応ではなく、会社の成長と直結する重要な経営課題として捉えています。多様な背景を持つ人々が活躍できる環境を整えることが、企業の持続的な発展につながるという認識のもと、全社を挙げてこの課題に取り組んでいます。
Ⅲ.推進体制
経営トップのもと関係部門が連携・連動して社内外に発信
重要な経営課題としてDE&I推進を捉え、強力にその活動を進める観点から体制を構築しています。
具体的には、社長を委員長とする経営計画中央委員会・人材戦略中央委員会のもと、経営企画室DE&I推進部が環境の変化や経営戦略等との整合を図りながら方向性を示し職場づくりを進める司令塔の役割、人事室各部が具体的な社内制度・しくみに落とし込んでいく役割を相互に連携・連動しながら果たしています。
Ⅳ.多様な人材の活躍
1.基盤となる「エクイティな職場」づくり
マンガ「私たちのDE&Iストーリーズ」
社員全員が一致してアンコンシャス・バイアスを無くしお互いの「働きやすさ」と「働きがい」を高め「組織成果の向上」を目指すために必要な考え方や行動をわかりやすいストーリーに仕立てたまんがにして発行。当社のDE&I推進活動における共通基盤としています。
2.女性
女性活躍の推進
当社は、性別、国籍、年齢、障がいの有無、性的指向、性自認などに関わらず、全ての従業員が充実した職場環境で働き、働きがいを感じられることを目指しています。
多様性を尊重しながら生産性を向上させるため、働き方改革を推進し、柔軟な働き方ができる環境を整備してきました。
特に女性活躍については、早い段階から重点的に取り組み、女性リーダー育成のための研修や女性総合職の採用・職域拡大などを行ってきました。
今後社員に占める女性比率が高まることが明確である中、性別に囚われない役割・機会付与と適正な評価に基づく登用を徹底することで女性管理職比率の向上を図っています。
また、育児両立期に入る社員には、家庭内と職場内での今後のキャリア(成長)も見据えた対話により個別事情に応じた休み方・働き方を選択するよう促すとともに、社内外のワーキングマザーとのネットワークづくりも支援しています。
3.シニア
定年延長
シニア層の豊富な経験とスキルを活かした活躍を目的として2022年4月より65歳までに定年延長する制度を導入し、全世代の社員が活躍可能な仕組みを構築しています。
「ミッドキャリア」世代を対象にした研修を実施
人生100年時代や予測困難な環境下では、既存の知識や経験だけでなく、変化 に対応するために主体的に学び続けることが求められます。このことは一定の専門性や実務経験を確立した「ミッドキャリア」と言われる世代も同様です。
当社では、様々なキャリアの転換期を迎えるこの世代(55歳に到達する社員)を対象に、想定していない将来にも目を向け、具体的な行動計画を立てることで、自律的なキャリア開発を継続することをゴールとした研修を実施しています。
4.LGBTQ+
働きやすい環境整備
車椅子やLGBTQ+の方にも対応した、性別問わず誰もが利用できる個室のトイレを設置しています。当社がこれまでに蓄積した設計ノウハウを活用し、特にLGBTQ+の方にとっての心理的ストレスに配慮した設えとしています。
また、PRIDE指標をベンチマークとしながら、ソフト面についても環境整備を進めています。
「多様な性」を尊重する風土の醸成
PRIDE月間(毎年6月)に合わせてオンラインセミナーの開催や社外イベントへの参加を周知すること等を通じて、風土醸成に努めています。
5.外国人
多様なニーズへの対応
グローバル人材が働きやすいオフィスとするための祈祷室を東京本店(セントラルビル)に設置しています。
宗教、宗派に関わりなく利用可能で、礼拝用マット、礼拝の前に足などを清めることのできる靴脱ぎ場、水場等が設置されています。
また、新社員が入寮する際には、ハラルフードの対応もしています。
6.障がい者
障がい者採用の促進と定着
個々の多様性を尊重し、能力を最大限発揮できるポジションで積極的に採用活動を行っています。
また、障がいのある従業員からの相談に適切に対応するために「障がい者相談窓口」を各拠点に設置しています。
採用された障がい者の5年定着率は80%以上と、障がいの内容に関わらず、長く活躍し続ける環境があります。建築やまちづくりにおいて最近注目されている「インクルーシブデザイン」の活動に意欲的に取り組む等、入社後に活躍のフィールドを自律的に広げる当事者も出始めています。
当事者との積極的なコミュニケーションによる職場環境の改善
2024年から「竹中聴覚障がい者情報交換会」を毎年実施し、当事者とのコミュニケーションを図っています。
当事者との建設的対話からは他の従業員にとっての環境改善にもつながるアイデアが出されており、社内ではこれに基づく具体的なアクションが始まっています。
(マンガ「私たちのDE&Iストーリーズ」から抜粋)
※会話を文字に変換する音声認識アプリ
Ⅴ.ワークライフバランス
1.育児両立支援
育児休業取得者(開始日基準)
育児と仕事の両立支援においては、2020年に育児・介護のための在宅勤務及び短時間フレックスタイム制度の導入、またフレックスタイム勤務者以外を対象にバリアブル勤務の導入、全社員を対象に時間単位年次有給休暇の導入など、フレキシブルな働き方を可能にしました。
また、2022年の育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)の改正を受け、制度の社内周知に努めるとともに、制度を利用しやすい職場環境の醸成により、男性育児休業取得者の増加につながっています。
2. 介護両立支援
Ⅵ.社外評価・宣言等
