国分寺市庁舎
みんなでつくる公園とつながる市庁舎
-愛着と誇りをもてる市庁舎を体感しながらつくりあげていく-
- ・基本設計からのデザインビルド方式による、分散していた庁舎機能集約のための新庁舎移転・新築計画。
- ・災害時の事業継続を柱に、市民や利用者へのサービス向上と利便性に配慮しました。
- ・国分寺という歴史性と公園の日常をつなぐ、市民の「ひろば」となるような市庁舎を目指しました。
- ・市民とのワークショップ・イベント、障がい者団体などとのユニバーサルデザイン検討会、職員との執務環境検討会や広場活用検討会など、市民や職員とともに考え、つくり、つかう市庁舎を目指しました。
- ・意見交換しながらつくり上げる作品であることを市民や職員に体感してもらい、新庁舎や国分寺市への愛着を深めていきました。
設計担当者のコメント
自分たちがつくった建物だと思えることは、建物やまちを愛する大きなきっかけになると思います。

職員自らが考える新しい働き方と市民のための庁舎づくり
基本設計段階で職員対象の執務環境検討会を開催。職員の理想の働き方は、訪れる市民のための過ごしやすい場づくりでもありました。

新庁舎における「理想的な執務環境のあり方」について、竹中工務店ワークプレイスプロデュース本部がファシリテート。職員の新しい働き方と執務室のレイアウトを全5回のワークショップで検討しました。

1階窓口では、転入、出生、結婚などのライフイベントに関する手続きを市民が移動せずに一か所で出来るよう「ワンストップ窓口サービス」を新たに導入。執務室中央に1‐2階を貫く吹き抜け階段を設け、職員のスムーズな上下移動を可能にしました。

2階の教育・福祉、子ども関係のフロアは、待合中央にキッズコーナーを設置。必要に応じて職員が待合に出て対応することで、親は目が届く範囲に子供を遊ばせながらその場で手続きすることもできます。来庁者に配慮し幅員を広く取った待合は、自由に家具を配置でき、ベビーカーや車いすでも寄り付きやすくなっています。
障がい者団体と考えるつかいやすさ・子ども達も一緒に国分寺らしさをつくる
市主導のユニバーサルデザイン検討会でつかいやすさの解像度を上げ、子ども達とともに国分寺らしい市庁舎を作り上げていきました。

視覚障がい者、聴覚障がい者、発達障がい者、高次脳機能障がい者等の団体への個別ヒアリングや意見交換会(ユニバーサルデザイン検討会)を重ねました。
現物やモックアップを活用し、異なる障害を持った当事者同士の対話による気づきを反映させました。

外装色は、市内の小中学生とともに周辺環境の色彩を調査し、外装コンセプトをつくるワークショップにより決定しました。
子供たちには、国分寺のまちを知ってもらい、自分たちで作り上げた市庁舎であることを体感してもらうきっかけとなりました。
所在地:東京都国分寺市
竣工年:2024年
延床面積:約21,700m2
建築主:国分寺市
設計施工:竹中・石本・セット設計特定建設共同企業体