外壁タイルの浮きを自動判定するシステム「スマートタイルセイバー」が2025年度「第27回 自動認識システム大賞」を受賞
2025年9月10日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:佐々木正人)は、第27回自動認識システム大賞において、ドローンを使ったAIによる建物の外壁タイルの浮きを自動判定するシステム「スマートタイルセイバー」で大賞を受賞し、9月10日に東京ビッグサイトで行われた表彰式で表彰状を授与されました。


自動認識システム大賞とは
自動認識システム大賞は、一般社団法人日本自動認識システム協会(JAISA)が主催する表彰制度です。自動認識技術やシステムの発展と普及・啓発を目的として、先進的かつその効果が極めて顕著な自動認識関連の技術やシステムを同協会が表彰するものです。
自動認識システム大賞について: https://www.jaisa.or.jp/award.php
評価のポイント
従来の外壁確認では、足場を組んですべての外装に対して人手による調査が必要でしたが、ドローンと赤外線カメラを併用することで疑わしい部分をピンポイントで特定し、効率的な調査を実現した結果、工期・費用ともに大幅な削減を達成した点がポイントとして評価されています。
また、それぞれの要素技術は既知のものですが、これらを組み合わせることで大きな課題解決を実現しており、組み合わせ技術によるソリューション化が成功している点も高く評価されました。
スマートタイルセイバーの概要
高層建物等の外壁調査システムとして、ドローンで撮影した赤外線画像から、AIが建物の外壁タイルの浮きを自動判定するシステムです。
竣工から 10年を経過した建築物については、建築基準法第12条により全面打診等による外壁調査が求められています。高層建物等において外壁タイルの赤外線撮影をドローンが行うことにより、打診等人の手による外壁調査の手間がなくなるため、仮設足場の設置などにかかるコストを削減できるうえ、人が高所で行う作業が不要になります。また、取得した赤外線画像をもとに、AIがPC上でタイルの浮きを一枚ごとに自動判定し熱分布データとして抽出します。それにより、どの個所のタイルに浮きが発生しているか誰でも一目でわかるため、デジタル技術を活かした人の感覚によらない高精度・高品質な調査、省人化、調査期間の短縮を実現できます。


今後の展開
竹中工務店は今後、安全かつ低コストで効率性の高い本システムをタイル貼り高層建物の外壁調査を中心に適用していきます。また、デジタル変革(DX)により、建設業界における生産性・魅力向上を目指すとともに、建物の長寿命化による「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成により社会に貢献していきます。