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省エネと知的生産性を両立する新たなワークスタイルの実証実験開始について

~“つながる”事により新たな価値を創造するスマートコミュニティへの取り組み~

リリース

2014年11月21日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:宮下正裕)は、2014年3月より「スマートコミュニティ推進室」を設置し、社会システムとしてのスマートコミュニティのグランドデザインの構築、つまり都市、環境、建築、設備、ICT等の技術を集約・統合した「まちづくり」に取り組んでいます。当社が目標とするサステナブル・スマート・コミュニティとは、人を中心に建物・地域・エネルギー・情報・サービス・ビジネスをつなげ、「融通」「共有」「共創」することにより新たな価値を生み出し、「活力魅力」「環境共生」「安全安心」をもたらす持続可能な社会のことです。
当社は、1986年の街開きから四半世紀が経過した大阪ビジネスパーク(以下OBP)において、そのリ・ブランディングをめざしたリノベーション事業にOBP開発協議会の代表幹事として取り組んでいます。協議会は2011年度より、スマートコミュニティ実現に向けた方針策定や事業化可能性調査、都市再生安全確保計画策定へ向けた基礎調査等を実施して来ました。また、2013年度からは協議会構成企業が中心となって経済産業省及び環境省の実証事業を実施中です。今後は実証事業で得られた技術をエリア全体に展開し、それらを統合的にマネジメントする、既存都市リノベーション型のスマートコミュニティへ向けた検討を進めていきます。
上記リノベーション事業の一環として、このたび当社は環境省「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業(委託事業及び補助事業)」に採択された「省エネルギーに繋がる居住者の移動を促すための空間設計と誘導システム構築」の2014年度実施分として、大阪ビジネスパークに位置するクリスタルタワーの屋内・屋外に分散型コミュニティスペースを新たに構築し、実証実験を開始しましたのでお知らせします。

■実証実験が目指すこと

オフィスワーカー一人ひとりの行動レベルで、省エネルギーでありながらも、自然環境の心地よさを感じながら知的生産性高く働けるワークスタイルを実現するため、

屋外・屋内に分散配置され、わずかな消費エネルギーで運用される分散型コミュニティスペース
分散型コミュニティスペースへオフィスワーカーの移動を促す誘導システム
設備機器をパーソナルな単位で制御できる室内環境制御システム

等をトータルとしてデザイン・構築する必要があります。
本実証事業では、当社がこれまで培ってきた空間設計技術、設備制御技術、ICTシステム構築技術等を基に上記の①~③を統合的に開発するとともに、人と自然環境、人と建物、人と人等を“つなげる”空間・情報システムがもたらす効果を検証します。
具体的には、オフィスワーカーが自由に利用できる屋外・屋内の分散型コミュニティスペースが心地よさや知的生産性に及ぼす影響を検証するとともに、誘導システムによる移動促進効果、室内側での消費エネルギー削減効果等を定量化します。

実証実験の概要

図1 実証実験の概要



■2013年度実証事業の成果

1階共用部に屋内分散型コミュニティスペース(16テーブル・40席)を試験的に設置し、2013年11月5日~1月15日で行動観察調査を実施しました。設置当初は1日に20名程度の利用でしたが、オフィスワーカーへの情報提供を実施した後は(11月27日以降)1日に50名前後の利用が見られるようになり、特に「仕事利用」が増加しました。このことは、オフィスワーカーへの分散型コミュニティスペースの情報提供が、ワークスタイル変化を引き起こす可能性を示唆しています。
また、分散型コミュニティスペースが十分に認知された2014年 2月のアンケートでは、このスペースにより「建物の満足度」、「働きやすさ」、「ビルのイメージ」が「向上した・やや向上した」と回答する割合が6~7割程度となりました。この結果は、少ないエネルギーで運用される空間であっても、オフィスワーカーのニーズに応えて、付加価値を創出できる可能性があることを示唆しています。

2013年度実証事業の成果

図2 2013年度実証事業の成果



■2014年度の実証実験概要

(1)分散型コミュニティスペース(屋内1階・屋外)

2013年度の実証事業から、分散型コミュニティスペースの利用を促進するためには、オフィスワーカー一人ひとりの異なる利用ニーズに応えられる多様性が必要であることが明らかになりました。そこで、2014年度の実証実験では、屋内1階の分散型コミュニティスペースにパーティションを設置するとともに、1人席、多人数席等異なるタイプの机・椅子を配置することで、多様な活動を許容し、稼働率の増加、ストレスなく滞在できる時間の延長、知的生産性の向上を達成する計画です。
さらに、より省エネルギーな屋外の分散型コミュニティスペースを設置します。屋外の空間では、刻々と変化する自然環境の中で、どのような活動がどのくらいの頻度・時間で行われるかを調査するとともに、自然環境がオフィスワーカーの満足度や知的生産性等へ与える影響を検証する計画です。

分散型コミュニティスペース(屋内1階・屋外)

図3 分散型コミュニティスペース(屋内1階・屋外)

(2)誘導システム

竹中工務店では、さまざまな「ソト(自席以外の場所。屋外を含む)」から、適切な場所を自ら選択して活動するライフスタイルやワークスタイルを促進する活動を「ソトコミ®」と呼び、これを積極的に推進しています*1)。今回の実証事業においても、ただ単に空間を提供するだけでなく、当社が培ってきた空間利用調査データベースや屋外利用推奨度(ソトワーク指数®)評価技術*2)等を活用することで、目的や状態に応じた一人ひとりの自由な空間選択を可能にするシステム*3)を構築し、実験的に運用します。このシステムにより、一層のコミュニティスペースの活性化を狙っています。システムが利用者一人ひとりに、各自の好みや位置情報等に基づいた情報を発信することで、利用者は欲しい情報を欲しい時に受け取ることができます。

誘導システムの構成

図4 誘導システムの構成



*1) 竹中工務店プレスリリース「屋外スペースの有効活用を促す新システムを開発」
http://www.takenaka.co.jp/news/2013/10/04/index.html
ソトワーク指数® 、ソトコミ® は竹中工務店の登録商標です
*2) 特許出願済
*3) 特許出願済



■環境省 CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業の概要

低炭素社会創出のためには、再生可能エネルギーや省エネルギー等の技術の抜本的なCO2排出削減性能の向上、技術の低コスト化、高効率化、長寿命化、耐久性の向上等、技術課題のブレークスルーを早期に実現することが極めて重要です。一方、民間に委ねるだけでは大幅なCO2排出削減に必要な技術の開発が必ずしも進まない状況にあります。このような背景のもと、民間の開発インセンティブが小さい技術の開発・実証を促進し、規制等将来的な地球温暖化対策の強化につなげることで、CO2排出量の大幅な削減を実現することを目的とした事業です。

技術開発課題名 「省エネルギーに繋がる居住者の移動を促すための空間設計と誘導システム構築」
技術開発体制 株式会社竹中工務店(代表)
大阪大学大学院 工学研究科 地球総合工学専攻 山中 俊夫 教授
大阪市立大学大学院 工学研究科 都市系専攻 嘉名 光市 准教授
<協力企業>
株式会社日建設計総合研究所
MID都市開発株式会社
関西電力株式会社
事業実施場所 クリスタルタワー(大阪市中央区城見1-2-27)
事業実施時期 2013年度~2015年度(予定)



■関連シンポジウム「まちのリ・ブランディング戦略シンポジウム~生まれ変わるOBP~」

本事業の進捗については、2014年12月10日、松下IMPホールで行われるシンポジウムでも報告いたします。シンポジウムの詳細・参加申し込みは下記URLをご覧ください。
http://obp-smartcity.com/pdf/symposium_201412.pdf