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スギ材CLT(直交集成板)をRC造建物の耐震壁として改修工事に国内初適用

~注目される国産木材の活用を推進~

リリース

2014年12月24日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:宮下正裕)は、当社単身寮(新倉竹友寮,1971年竣工)の耐震改修工事の実施にあたり、経済性・施工性に優れた木質建材として注目されるCLT(直交集成板)※をRC造建物の耐力壁として国内で初めて採用しました。

CLTは欧州で開発された建材で、海外では、マンションや商業施設の壁、床に利用される等、急速に普及が拡大しています。
一方国内においても、間伐材や伐採適齢期を迎えたスギ等国産木材の有効活用につながる新建材として注目され始めています。
CLTの日本農林規格(JAS)が2013年12月に制定され、さらに林野庁と国土交通省は、「CLTの普及に向けたロードマップ」(2014.11.11)を公表し、その普及に向けた施策を推進されています。

今後当社は、CLTの公的機関によるCLT耐震補強の評定(構造性能の評価)を取得し、教育施設や耐震改修が求められるホテルや商業施設への提案を進めます。
さらにCLTをはじめとする木質建材を活用した設計・施工ノウハウを蓄積させるとともに、防耐火規制(内装制限等)への対応も含めて使途を拡大することで、国産木材の有効活用に貢献していきます。

CLT(Cross Laminated Timber:直交集成板):丸太から伐り出された板を各層互いに繊維が直交するように積層接着された木質建材。
CLT(カットモデル)

CLT(カットモデル)

CLTを用いた耐震壁

CLTを用いた耐震壁

■採用したCLT耐震壁について

今回の改修工事で用いたCLTパネルは、厚さ3㎝×幅13㎝のスギの板を幅はぎ※し、繊維が互いに直交するよう7層に重ねて圧着したものを、1枚当り250kgとなる厚さ21㎝×幅100㎝×高さ270㎝のパネルとして作業所に運搬。パネルを横に4枚並べ、既存RC躯体とCLTパネルおよび隣り合うCLTパネル同士の小口間にエポキシ樹脂接着剤を圧入して接着接合する接着工法※を用いて既存躯体とCLTパネルを一体化し、耐震壁としています。CLTを用いた補強箇所は1階食堂部分の壁10.8m2になります。
また、本技術は平成25年度林野庁CLT等新製品・新技術利用促進事業の成果を活用しています。

幅はぎ:隣り合う板同士を幅方向に接着剤で一体化すること。
接着工法:竹中工務店の独自の「居ながらできる®」耐震補強技術の1つで、代表的な技術として鉄骨ブレースをエポキシ樹脂接着剤で接着接合する鉄骨ブレース接着工法(建防災発第 12100 号 更新)があり、既に第三者機関での技術評価を取得し約2,200件(20000箇所以上、2012年末)以上の適用実績があります。木質パネルについても、関連特許を出願済です。

■CLT(直交集成板)の特長

耐力 今回適用した厚さ21㎝のCLT耐震壁は、従来技術である厚さ15㎝RC造耐震壁や、150t~200tクラスの鉄骨ブレースとほぼ同等の耐力を計算上発揮します。(適用条件により異なります。)
寸法安定性、施工性 工場で製造される工業製品であるためミリ単位での製作精度が確保されます。
また、工業製品であることに加え、CLT(スギ)はコンクリートや鉄と比べて比重が小さく軽量であることから、現場作業の削減による省力化工法としても期待できます。
価格優位性(コスト) CLT(スギ)はコンクリートや鉄と比べて比重が小さく軽量で施工性が良いことから、使用条件によっては、在来工法(RC壁増設補強 枠付き鉄骨ブレース補強、)と同程度またはそれ以下になる試算となっており、CLTの普及が進めば価格が低下することで、さらにコストメリットは大きくなることが予想されます。
木材の地産地消を促進する耐震改修 地元産木材を利用した耐震改修が可能です。各地域の林業再生にも貢献します。

■竹中工務店新倉竹友寮 改修工事の概要

1971年に竣工した新倉竹友寮ではこの度、各部屋のリフォームをはじめ、CLTを活用した木造補強・「エストンブロック工法」(※)等様々な耐震補強手法を効果的に組み合わせ耐震性能の強化を行いました。

エストンブロック工法:建物に蝶々型形のブロックを積み上げて耐震補強壁を築く工法。特許出願済。 
http://www.takenaka.co.jp/news/2014/07/05/index.html
主用途 単身者社員寮
構造/規模 RC造/地上5階
工期 2014年6月~12月
改修設計施工 竹中工務店