2026年からの竹中グループ経営ビジョンと中期経営計画2030


多様なステークホルダーとビジョンを共有し、グループ全体で未来社会におけるプレゼンスを高めていく

当社は経営理念である「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」ことを使命とし、社是、メッセージに込めた誓いをもとに、手掛ける作品の一つひとつを丹精込めてつくってきました。そして、お客様満足や社会の信用を得て企業の社会的価値を高める「品質経営基本方針」に則った活動を継続しています。
一方、私たちを取り巻くステークホルダーが多様化する中で、建築や建設に求められる機能や価値も変化してきています。
当社グループが未来社会においてプレゼンスを高めていくために、中長期的な視点でグループの各事業がともに目指す方向性を「グループ経営ビジョン」と「グループ方針」にまとめました。各事業では、グループ経営ビジョンを実現するために具現化した戦略を展開し、それらを支える経営基盤戦略でより強固なものとしていきます。併せて、グループ各社では事業戦略に沿った個社の方針と事業計画を定め実行に移していきます。

経営理念、社是、メッセージ、品質経営基本方針と体系

サステナブルからリジェネラティブへ

「まちづくり総合エンジニアリング企業」としてのこれから

これまでの取り組み

「まちづくり」とは、都市における単体の建築だけではなく、その集合体である「まち」を、多くの利害関係者=ステークホルダーを巻き込んで「総合的」かつ「持続的」につくっていくことです。
竹中グループは2014年から2025年に至るまでのグループ成長戦略を策定し、時代や社会が要請する建築や「まちづくり」を通して、他社に先駆け一早く健康・快適で豊かな暮らしや、人々の多様性を尊重したサステナブル社会の実現に貢献するとともに、地球環境への取り組みを進めてきました。
これまでに「まちづくり」という概念は広く社会に浸透し、当社グループとしての取り組みもその成果として挙げられると考えています。

サステナブル社会の実現への図

これからの取り組み

サステナブルという活動は、地球への環境負荷をスローダウンさせていくネガティブな影響を減らす活動でしたが、気候変動・災害・紛争・少子高齢化やテクノロジーの加速度的な発展など、社会環境は人々の予測を超えるスピードで変化を続けており、地球の限界(Planetary Boundary)を超える時代に入りつつあります。この劇的な変化に対応していくためにはポジティブな影響を意図的に生み出していくことが不可欠です。
地球をより健全で豊かな状態で未来の世代に引き継いでいくためには、人・組織・社会システムなどあらゆる領域でポジティブな影響を意図的に生み出していく『リジェネラティブ(再活性)』な考え方や姿勢を持ち続ける必要があります。

サステナブルからリジェネラティブへ

新たな価値を創造して社会の要求にこたえるために、「リジェネラティブ」な考え方と姿勢で重点3分野にグループで統合的に取り組む

グループで取り組む重点3分野

環境共創 - 人と自然をつなぐ

・脱炭素
風力、地熱、バイオマス発電などのグループ再エネ発電事業の推進、ZEB建築の推進
・資源循環
廃棄物を生み出さない設計・施工による「サーキュラーデザインビルド®」の実現
・自然共生
グリーンインフラ・生物多様性保全の研究開発を通じた自然共生サイトの展開
森林資源の保全・回復活動の推進
環境共創 - 人と自然をつなぐ

技術革新・DX - 新価値創造への挑戦

  1. 建設プロセスのスマート化技術
  2. バリューアップ提案を含む環境・豊かな暮らしを実現する商品・サービスの展開
  3. 事業活動及び建物・まち・人のデータを活用し新価値創造を推進
  4. 建設AI・ロボットを活用した建設革新
  5. 宇宙建築などのフロンティア領域
技術革新・DX - 新価値創造への挑戦

人材活躍 - 人づくり・場づくり

  1. 多様な働き方の実現による個のキャリア充実と組織活性化に向けた成長機会の創出
  2. DE&Iの推進による多様な人材の活躍
  3. 魅力づけ・エンゲージメント向上(人的資本への積極的な投資)
  4. 社会・事業環境の変化に対応する人材を育む
  5. グループ・グローバル経営基盤の強化
人材活躍 - 人づくり・場づくり



2026年からのグループ経営ビジョンと中期経営計画2030

リジェネラティブな概念に基づくグループ経営ビジョンの策定

現グループ成長戦略が本年節目を迎えるとともに、当社グループとして経営理念及び社是を始めとした体系を整理し、ビジョンや諸方針を更新しました。
その中でも特に前述したグループで取り組む重点3分野とリジェネラティブの概念をもって、現「竹中グループCSRビジョン」を中長期的にグループで各事業の目指す姿と方向性を示す「グループ経営ビジョン」として改定しました。併せて、理念・方針体系を整理したうえで、中期経営計画2030を策定しました。

竹中グループ経営ビジョン 私たち竹中グループは品質の高いものづくり・サービス提供を目指すとともに地球環境の向上に挑戦しつづけます
							~ TAKENAKA Regenerative Challenge ~サステナブルを超えて

中核となる事業戦略と経営基盤戦略

グループ経営ビジョンを受け、「環境戦略2050」をベースとした、グループの事業領域それぞれで「つくる・まもる・いかす」というライフサイクルの視点に立ち、中期経営計画を策定しました。
「中期経営計画2030」は、「6つの中核事業戦略」と「4つの経営基盤戦略」で構成されています。
「中核事業戦略」は、国内建築、海外建築、開発、土木、建物管理、新規において、それぞれの事業活動を展開します。
「経営基盤戦略」は技術、デジタル、人材、広報・ブランドで中核事業戦略を横断的に支え、グループ連携を強化していきます。
これらの「グループ経営ビジョン」と「中期経営計画2030」を、2026年1月から竹中グループで実施していきます。

、「環境戦略2050」をベースとした「中期経営計画2030」は、「6つの中核事業戦略」と「4つの経営基盤戦略」で構成されています。

環境戦略2050

方針
リジェネラティブ・ワークス®の共創 ~リジェネラティブでウェルビーイングな未来のために~

ミッション
脱炭素、資源循環、自然共生を調和させ、地球の恵みを回復・再生し、創造性豊かに暮らす社会をステークホルダーと共に創ります

環境戦略2050

中期経営計画における各事業戦略

国内建築事業戦略

方針
魅力的な作品(モノ・コト)をつくり、まもり、いかし、社会やお客様に最良の価値を提供する

ミッション
「設計施工 進化 × 深化」設計施工の強みを最大化するビジネスモデル

国内建築事業戦略

海外建築事業戦略

方針
海外の市場特性に合わせた企業理念の実現による「TAKENAKA」ブランドのグローバル展開

ミッション
海外の多様な事業環境に根を張り、日系・非日系の様々なお客様に対し、経営理念をはじめとする伝統的精神に基づいた「ものづくり」を提供する。
各国の市場特性の中でデザイン力・エンジニアリング力・デジタル変革・環境配慮を追求した競争力を発揮することで高いお客様満足と適正な利益を確保する。
その積み重ねを通じた、堅実で持続的な成長を指向することでTAKENAKAブランドをグローバルに展開する。また、これらの活動により各地で展開するグローバル人材の育成を強化する。

海外建築事業戦略

開発事業戦略

方針
不動産事業での長期安定収益拡大により、グループの成長投資の原資を創出し、「TAKENAKA」ブランドの向上に寄与する

ミッション
<基本方針>短期的な景気変動に左右されない「長期保有」によるインカムゲインの確保
 +
<新しい取り組み> 「既存物件の長寿命化(レガシー化)」「バリューアッド投資」「短期回転型投資」「ファンド型投資」「フィービジネス」の展開による事業収益の更なる拡大

開発事業戦略

土木事業戦略

方針
土木請負事業の強化と新事業推進により、グループの総合力を向上させる

ミッション

経営基盤強化・充実

建物管理事業戦略

方針
持続可能な建物管理事業の基盤を堅持し、グループの安定経営に寄与する

ミッション
安定的成長のための、健全経営

基盤の堅持、技術の深化、価値の創造

新規事業戦略

方針
建設の枠を超えた総合ソリューションで、社会課題解決と収益基盤の多様化を実現する

ミッション
ブランド力向上・建設事業との相乗効果・人材の活性化へ寄与する

環境関連事業、伝統文化・レガシー活用事業、建設周辺・デジタル事業、新領域事業

中期経営計画における各経営基盤戦略

技術、デジタル、人材、広報・ブランドで中核事業戦略を横断的に支え、グループ連携を強化する


技術戦略

経営基盤方針
技術の“シン化”で、魅力ある建設・豊かな価値を創り、感動の未来を拓く

ミッション
戦略1:魅力ある建設・豊かな価値を創る技術の“深化”

竹中グループ事業の課題解決に貢献する技術・商品開発と実装

戦略2:感動の未来を拓く技術の “進化”

将来への備えとして今から取り組むべき技術開発と実証

魅力ある建設、豊かな価値、感動の未来

デジタル戦略

経営基盤方針
デジタルの力で人と組織とナレッジをつなぎ、ワクワクする未来社会につなげる

ミッション
デジタル技術適用により竹中工務店の強みとグループ連携を強化し、建築とまちづくりで最良の価値を創出、社会とお客様の課題解決に貢献する

業務プロセス変革、新価値創造、グループ連携

人材戦略

経営基盤方針
「TAKENAKA」らしい企業活動を支える「人」づくり・「場」づくりへ積極的に投資する

ミッション
「TAKENAKA」らしさを維持・進化し、激しい環境変化を先取りできる人材と組織を育む

人材基盤の確率、成長機会の創出、魅力づけエンゲージメント向上

広報・ブランド戦略

経営基盤方針
重点分野(環境共創、技術革新・DX、人材活躍)の発信を推進し、社会的な共感と評価を得ることで中核6事業の価値を高め、選ばれ続けるグループとなる

ミッション
人・技術・デザイン・プロジェクトを通じて、グループの経営ビジョン浸透を図る
グループの強み・実績を効果的に発信し、「TAKENAKA」ブランド力の向上を図る

社外への価値ある情報発信、ステークホルダーへ的確な情報発信、インナーブランディング