2023年度(第86期)決算概要 及び 次期業績見通し
2024年2月28日
株式会社竹中工務店
当連結会計年度におけるわが国経済は、急速な円安の進行や物価上昇の影響を受けつつも、インバウンド需要の持ち直しなどによりサービス消費を中心として景気は緩やかに回復しました。一方で、世界的な金融引き締めや、世界各地での紛争リスクによる社会経済への影響が続くなど、依然として不透明な状況にありました。
建設業界においては、公共投資は底堅く推移し、民間設備投資も持ち直しつつありましたが、建設資材価格の高止まりや労務単価の上昇などの影響を受けて、経営環境は厳しい状況が続きました。
このような状況下において、当社グループは経営理念である「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」を基軸とした品質経営と企業体質の強化を第一義とする健全経営に徹するとともに、抜本的生産性向上と働き方改革の実現を目指しながら、建設事業の高度化と開発事業の収益基盤拡大等の活動を推進しました。
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高が1兆6,124億円余(前連結会計年度比17.2%増)、損益面では、営業利益が456億円余(前連結会計年度比61.2%増)となりました。経常利益は593億円余(前連結会計年度比50.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は374億円余(前連結会計年度比23.8%増)となりました。
当社においては、売上高が1兆2,511億円余(前事業年度比20.0%増)、営業利益が319億円余(前事業年度比161.6%増)、経常利益が451億円余(前事業年度比64.7%増)、当期純利益は292億円余(前事業年度比17.9%増)となりました。
なお、上記の営業利益には退職給付会計における割引率見直し等の影響143億円の利益を含んでおります。
当連結会計年度における当社グループの連結業績(連結法50社+持分法14社=計64社)及び当社単体の業績は以下の通りです。
1.決算概要
連結、単体ともに増収・増益
主たる項目の実績額と前期増減率の状況は下表の通り。

- ※1実績額欄は完工利益率を記載している。
- ※2次期繰越工事高については、前期末増減率を記載している。
2.次期業績見通し
次期(2024年12月期)の業績見通しは以下の通りです。
日本経済はコロナ禍からの経済活動正常化により景気は緩やかに回復傾向にあるものの、世界各地での紛争リスクによる経済・社会情勢を引き続き注視する必要があります。国内建設市場は、公共工事、民間工事ともに概ね堅調に推移しているものの、資材価格等の上昇や需給逼迫による建設コストの増加により、厳しい経営環境が続いており、早期かつ適切な対策が必要な状況です。国内開発事業においては、入国制限の緩和に伴う宿泊需要の高まりが期待される一方、オフィス空室率の上昇及び賃料の下落は継続しており、今後も長期的に影響を受ける可能性があります。
このような状況下において、当社はグループ全体で多岐にわたる専門性と技術力、マネジメント力を発揮できるよう、人材・技術・デジタル化推進、さらに脱炭素・資源循環・自然共生を統合させた環境戦略により持続的な社会の実現に向け、取り組みに必要な投資を加速的に進めることで経営資源を強化・拡充し、社会とお客様にとって最良のパートナーを目指します。激しい環境変化に対して柔軟に対応しながら、揺るぎない経営理念のもとにサステナブル社会の実現に向けて今後も事業の推進に取り組んでまいります。
(1)連結業績

(2)単体業績
