-エボルダン®-
空調用のダクトといえば金属製が一般的ですが、当社が開発した「エボルダン®」は、ダンボール材を重ねてアルミ箔で覆った新しいタイプのダクトです。不燃性や断熱性、気密性といった基本性能を備えつつ、軽量で扱いやすく、CO₂排出削減や施工の効率化にもつながります。
環境にやさしく安全性も高い建材として、官公庁をはじめ幅広い施設で活用が進んでいます。本記事では、エボルダン®の特徴や効果をわかりやすく紹介します。
エボルダン®とは
エボルダン®は、当社が開発した不燃性のダンボール製ダクトです。従来、空調用ダクトといえば金属製が一般的でした。エボルダン®は複数のダンボール材を重ね、外側をアルミ箔で覆っています。この構造により、断熱性・気密性・不燃性を兼ね備えた新しい建材となっています。
国土交通大臣から不燃材料としての認定も受けており、火災時における安全性についても高く評価されています。
エボルダン®の特徴
エボルダン®には、従来の金属製ダクトにはないさまざまな特長があります。性能面では金属製に劣らない品質を確保しながら、軽量化による安全性、CO₂削減への貢献、施工の効率化、省スペースでの保管といった利点をあわせ持っています。
ここでは、それぞれの特長をわかりやすく紹介します。
金属ダクトに劣らない性能
エボルダン®はダンボール材を何層にも重ね、外側をアルミシートで覆った構造になっています。このような構造によって、断熱性や気密性をしっかり確保でき、従来の金属製ダクトに匹敵する性能を発揮します。
不燃性、防湿性、耐圧性、耐久性といった空調ダクトに欠かせない基本的な性能もきちんと備えているため、安心して使用できます。つまり、金属製と同等の品質を持ちながら、環境に配慮しつつ高い性能を実現した新しいタイプのダクトです。
軽量化による安全性
エボルダン®は、金属製のダクトと比べて重さがおよそ3分の1しかありません。そのため持ち運びや設置がしやすく、工事の作業効率を高めることができます。さらに、軽量であるため、建物全体の安全性にもつながります。
たとえば地震などでダクトが落下したときでも、衝撃が小さいため、下にある設備や人への被害を抑えることができます。また、軽さによって建物の構造そのものにかかる負担も軽減され、結果として建物を長持ちさせる効果も期待できるでしょう。
CO₂削減への貢献
エボルダン®は再生紙を使った環境にやさしい材料です。原料の段階から環境への負担が少なく、製造や運搬の過程でもCO₂の排出を大きく減らすことができます。金属製のダクトと比べると、製造から輸送にかけて発生するCO₂を最大で61%削減することが可能です。
解体時にも環境に配慮したメリットがあります。従来の「金属+断熱材」を組み合わせたダクトを解体するときに比べ、最大で89%ものCO₂を削減できます。
省人化を可能にする施工性
エボルダン®は断熱性能が高いため、保温材を巻く作業が不要です。その分、工事にかかる人手や時間を大幅に減らすことができます。
施工方法もシンプルで、平らな状態の部材を現場で折り曲げ、テープで固定するだけで完成します。特別な工具もいらないため、作業のスピードが向上し、工期短縮にも効果を発揮します。
平板の状態で省スペース保管
エボルダン®は、平らな板の状態で保管や運搬ができる点が大きな特長です。従来の鉄板ダクトは、工場であらかじめ筒状に加工したものを現場へ運ぶため、どうしてもかさばり、大きな保管スペースや多くの輸送回数が必要でした。
エボルダン®は平板のまま現場に搬入し、必要なときに折り曲げて組み立てられるしくみになっています。従来の鉄板ダクトに比べると、約75%も省スペース化が可能です。
適用事例
2004年の竹中工務店 東京本店での採用を皮切りに、最近では官庁工事(横浜市役所)を含む実績を重ねています。
まとめ
エボルダン®は、金属製ダクトに匹敵する性能を備えながら、軽量性や施工性の高さ、CO₂削減効果など多くのメリットを持つ新しい建材です。安全性や環境性能が評価され、官公庁を含むさまざまな施設で導入実績を重ねています。
空調設備の省エネ化や工事効率の向上を検討されている方にとって、有力な選択肢となるでしょう。今後も環境技術の開発を通じて、人と生きものが共に暮らせる持続可能なまちづくりを進めていきます。
