サポート
-ジオクリーン・
ワークス®-
都市開発や土地活用を進めるうえで、土壌汚染は無視できないリスクの一つです。揮発性有機化合物(VOC)、油、重金属などが基準を超過する濃度で地中に残っていれば、法令による利用制限や工事中断といった深刻な問題につながりかねません。
こうした課題に対して、当社は「ジオクリーン・ワークス®」という総合的なソリューションを提供しています。本記事では、ジオクリーン・ワークスの特徴と具体的な土壌汚染対策について解説します。
ジオクリーン・ワークスとは
土壌汚染の対策には「浄化する」「拡散を防止する」といった様々な工法があります。
当社の土壌汚染対策技術「ジオクリーン・ワークス」は、汚染物質の種類・お客様の土地利用計画に合わせた土壌汚染への対応をご提案します。
土壌汚染対策技術の適用事例
揮発性有機化合物(VOC)の対策技術
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温促バイオ -
DCM®-e工法
重金属の対策技術
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不溶化工法 -
土壌洗浄法
土地活用時に避けて通れない土壌汚染問題
建築工事などの土地改変の機会において、工事前に土壌汚染対策法に基づく土壌汚染調査が必要となる場合があります。土壌汚染が確認された場合、土地の利用には制約があり、土壌汚染対策法上の手続きが必要となります。
誤った法令対応は工事中断などの重大な影響をもたらす可能性があります。
当社はお客様の事業計画への影響を最小限に抑えるべく、法令に基づく手続きから汚染対策までトータルでサポートします。
土壌汚染対策法に基づく指定調査機関としての対応
指定番号 : 2003-8-3013
土壌汚染調査は、土壌汚染対策法のみならず各地方自治体の条例に基づく場合や、土地売買時・建設残土の搬出時等にも必要となります。
土壌汚染調査技術管理者を有する当社は、環境大臣から指定された指定調査機関として、土壌汚染対策法はもちろん各種調査にも適切に対応します。
土壌汚染調査の作業状況
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土壌ガス採取孔削孔 -
掘削状況
(ダブルスコップ使用) -
掘削状況
(簡易ボーリングマシン使用)
土壌汚染問題の重要性
土壌汚染とは、人の活動にともなって土壌に有害な化学物質が浸透・蓄積している状態です。土壌汚染が存在すると様々な経路で人の健康や生活環境、生態系へ悪影響を与える可能性があり、対策が欠かせません。汚染物質としては、揮発性有機化合物(VOC)、油、重金属などがあります。国や自治体も法令を整えて人の健康への影響を防ぐ対策を強化してきました。
主な土壌汚染対策【VOC・油による土壌汚染の場合】
土壌汚染対策には、さまざまな方法があります。ここではVOC・油汚染に対して、実用化されている代表的な方法を紹介し、それぞれの特性と適用場面の違いについて解説します。
DCM-e工法
DCM-e工法は、当社が開発した掘削せずに汚染を処理できる「原位置浄化技術」の一つです。VOCに対応する方法として、地中に浄化剤を供給し均一に撹拌混合することで、汚染物質と反応させて分解・無害化します。浄化剤を注入することが困難な粘土層の土壌にも対応可能です。
DCM-e工法は、騒音・振動を抑えつつ浄化できるのが強みです。また、地盤を撹拌するため一時的に軟弱になりますが、浄化剤と同時に混合する固化材により、早期に地番強度を回復します。
ナノアイロン注入工法
ナノアイロン注入工法は、極微細な鉄の粒子を含む浄化剤を地中に注入し、汚染物質と化学反応させて分解・無害化する方法です。鉄の粒子が微細であるため、浄化剤を注入することが可能であれば、地中深くの帯水層でも効果を発揮しやすいのが特徴です。また、地盤中にとどまりやすいため、流れ込んでくる地下水を待ち受けて浄化することも可能です。
原位置フラッシング工法
原位置フラッシング工法は、土を掘り返さずに地盤中の汚染物質を回収する方法です。具体的には、地中に洗浄剤を注入し、土粒子に付着した汚染物質を洗い流すように乖離させて、地下水と一緒に地表へくみ上げて回収します。
原位置フラッシング工法の大きな特徴は、建物の真下や狭い敷地など、重機で掘削しにくい場所でも適用できる点です。特に、砂地盤の土地では、浄化剤注入用の井戸と地下水回収用の井戸の間隔を長くとることができ、より効果的な浄化が可能です。
バイオレメディエーション
バイオレメディエーションは、微生物の力を利用して土壌や地下水中の有害物質を分解・無害化する方法です。もともと地中に存在する微生物を活性化させたり、外部から分解能力の高い微生物を導入したりすることで浄化を行います。
主なアプローチとして、2つの方式があります。
- ● バイオスティミュレーション: 土壌中にすでに存在する微生物に対し、栄養等を補給して活性化させ、汚染物質の分解を促す方法
- ● バイオオーグメンテーション: 分解能力の高い微生物を培養して現地に導入し、分解性能を高める方法
バイオレメディエーションは、採掘除去等の他の工法と比較すると工期が長くなりますが、コストを低く抑えることが可能です。また、事前にトリータビリティ試験を行い、本手法が適用可能か確認することが重要です。
当社では、バイオレメディエーションの適用を拡大し、工期が長くなるという課題を改善した温促バイオ」を開発しました。温めた浄化剤を地盤に注入し、地盤を温めることで微生物の活性を向上させ浄化を促進します。
土壌洗浄法関連ソリューション
主な土壌汚染対策【重金属による土壌汚染の場合】
重金属による土壌汚染の場合、土壌洗浄法や固化・不溶化技術、封じ込め技術などの対策を講じることが可能です。ここではそれぞれの対策方法について詳しく解説します。
土壌洗浄法
土壌洗浄法は、掘削した汚染土壌を水や薬剤を使って土壌を洗い、その後、土の粒子の大きさでふるい分けることで浄化する方法です。洗浄によって汚染物質を分離し、きれいになった土と重金属が濃縮した細かい粒子を含む泥(汚泥)を分けます。汚泥は外部の処理施設に搬出する必要がありますが、洗浄後の清浄な土は、再び土地に戻すことも可能です。
土壌洗浄法のメリットは、汚染土量が多く、敷地内に土壌洗浄プラントを設置できる場合に有効です。一方、事前のトリータビリティ試験や施工計画が重要です。
固化・不溶化技術
固化・不溶化技術は、汚染された土の中に含まれる重金属を「水に溶けにくい形」に変えることで、地下水などへの流出を防ぐ処理方法です。たとえば、セメント系やリン酸マグネシウム系の薬剤を土に混ぜ込み、金属を化学的に結合させて安定化させます。
固化・不溶化技術は、汚染土を外へ運び出す方法に比べ、輸送費や廃棄費を抑えられる点は大きなメリットです。また、重金属が地下水へ流出するのを防ぐ方式であるため、処理後も地下水や周辺環境の変化によって再び溶け出さないかどうか、定期的に監視することが必用ですが、土地利用の方法によっては有効な方法です。
封じ込め技術
封じ込め技術は、汚染された土を構造物に閉じ込め外に広がらないようにする方法です。代表的なのが「遮水壁」で、鋼矢板やコンクリート壁などで汚染された範囲を囲み、汚染の拡散を防止します。
封じ込め技術の強みは汚染土を運び出す必要がないため、工事の期間や費用を抑えられることです。「汚染を取り除く」のではなく「広がらないよう閉じ込める」だけであるため、封じ込め実施後も適切な管理が必要ですが、封じ込め範囲外の敷地は自由な土地利用が可能です。
まとめ
土壌汚染は、人の健康に深刻な影響をおよぼすおそれがあるだけでなく、土地の利用や開発にも制約を与える大きな課題です。土壌汚染の対策にはさまざまな方法がありますが、汚染の種類や土質、土地利用計画によって最適な工法が異なり、誤った対応をすれば工期や事業計画に大きな影響を及ぼしかねません。
さらに、法令遵守や調査手続きへの対応も欠かせず、技術面と制度面の両方を理解したうえで進める必要があります。こうした複雑な課題を解決できるのが、当社の「ジオクリーン・ワークス」です。指定調査機関としての信頼性と、多様な土壌汚染対策技術を組み合わせる提案力により、お客様の土地活用を安全かつ効率的に実現します。
