ガラス耐震壁・透明耐震壁®
木造建築に開放感と
耐震性を両立させる
2つの耐震技術
-「ガラス耐震壁」と
「透明耐震壁®」-
木の温もりと開放感はそのままに
~ガラスが創る新しい耐震設計~

木造建築において、耐震性を確保するための「壁」と、豊かな空間を創出する「開放感」の両立は長年の課題でした。建物の意匠性や空間の開放性を損なうことなく耐震性能を向上させる技術として、竹中工務店は奈良県地域創造部文化財保存事務所と共同で開発した「ガラス耐震壁」と、独自に開発した「透明耐震壁」を提供しています。

「ガラス耐震壁」は伝統木造建築の改修に適用でき、一方、「透明耐震壁」は新築木造建築物へ幅広く適用可能です。これらの技術は、ガラス材料を用いることで視覚的な圧迫感を軽減しながら、建物の耐震性能を向上させます。文化的価値の高い伝統建築物の保存や現代建築における快適な空間づくりを可能にする耐震技術です。

こんなお悩み・課題はありませんか?

文化財・歴史的建造物の維持保全

耐震補強を行いたいが、意匠や外観が損なわれるため必要な箇所に耐震要素を設けられない。

新築木造建築の空間デザイン

耐震性を確保するために合板壁や筋交いが必要になり、大空間や開放的な窓面を実現しにくい。

木造建築の価値向上

安全・安心(BCP)を担保しつつ、自然光を取り入れた魅力的でウェルビーイングな空間を創出したい。

ソリューションの概要(ガラス耐震壁・透明耐震壁とは)

建材として広く用いられている「ガラス」を構造要素として組み込み、地震力に抵抗する耐震壁技術です。伝統木造建築向けの「ガラス耐震壁」と新築木造建築物向けの「透明耐震壁」の2種類を展開しています。いずれも高い耐震性能を発揮しながら、ガラスの透明性を活かした付加価値の高い空間を創出します。

伝統建築向け「ガラス耐震壁」の特徴

ガラスの四周を木枠で囲み、地震時にはガラスを木材にめり込ませることで伝統建築特有の大きな変形に柔軟に追従します。タイバーにより木枠の変形を抑えることで、高い耐力を維持します。実物大試験体での性能確認試験を実施し、変形性能を含む耐震性能を客観的に実証しています。なお、本性能確認試験結果は文化庁の文化財建造物構造実験データ集にも掲載しており、誰でも本技術を利用することができます。

導入のメリット

伝統木造建築の歴史的価値と外観を保ち、文化財を未来へ継承

伝統木造建築の補強に一般的に用いられる土壁などと異なり、ガラス耐震壁を用いることで、建物の内外観をほとんど変えることなく耐震補強が可能です。重要文化財など、景観や意匠の変更が原則認められない伝統木造建築においても、間口1間(約1.8m)を超える大きな開口部に設置でき、建物の長寿命化と安全な活用を両立します。

  • 性能確認試験状況
  • ガラス耐震壁の適用

新築木造建築向け「透明耐震壁」の特徴

専用開発したアルミサッシ内部に変形吸収用の空間を設け、ガラスを損傷させることなく優れた抵抗力を発揮。単板・複層ガラスに対応し、止水シールにより外壁にも適用可能です。本技術は性能確認試験によって変形性能を含む耐震性能を確認しました。なお、建築確認申請において特別な審査を不要にするため、性能評価の受審も開始しています。

導入のメリット

開放性と耐震性の両立により、建築プランの自由度が飛躍的に向上

従来、構造計算において固定ガラス壁に地震力を負担させることは想定されていませんでした。本技術の採用により、新築木造建築においても合板壁や筋交いとして別途設けていた耐震要素を削減することが可能になります。大空間と外部環境をシームレスに繋ぐ魅力的なプランニングが実現し、人々が集い意欲的に活動できるウェルビーイングな空間を創出します。

透明耐震壁の構成
透明耐震壁の変形吸収の仕組み

ガラス耐震壁と透明耐震壁の比較・適用作品

  ガラス耐震壁 透明耐震壁®
主な対象 伝統木造の耐震補強 中小規模の新築木造
主な構造要素 ガラス+木枠 ガラス+アルミサッシ
開発者 竹中工務店
奈良県地域創造部文化財保存事務所
竹中工務店
適用作品 重要文化財旧織田屋形大書院及び玄関 北広島町豊平地域づくりセンター

想定される適用用途・施設

  • ● 重要文化財・歴史的建造物(神社仏閣、古民家、歴史的宿場町などの保存・改修・利活用)
  • ● 中小規模の木造建築物(開放感が求められる公民館などの公共施設、木造のオフィス施設/教育施設/商業施設など)

まとめ

「ガラス耐震壁・透明耐震壁」は、木造建築の最大の課題である「耐震性の確保」と「意匠性・開放感」のトレードオフを解消するソリューションです。脱炭素社会に向けて木材活用(木質化)が推進される中、本技術を通じて、伝統建築の保存から先進的な木造建築の創出まで、安全で魅力的な空間づくりと持続可能な社会の実現に貢献します。

関連リリース