Solution
鳥を傷つけずに空気で追い払い建物を守る防鳥技術
-TORINIX®-
避雷設備と兼用でき、建物の見栄えにも影響しない
エア吹出し式の防鳥設備

ビルや工場では、ハトやカラスによる鳥害が深刻な問題となっています。従来はスパイクやワイヤーを設置して鳥を寄せ付けない方法が一般的でしたが、景観を損なったり、鳥を傷つける恐れがあるなど課題が残っていました。

こうした状況を解決するために開発されたのが当社の「TORINIX®(トリニックス)」です。本記事では、TORINIX®の仕組みや特徴、従来技術との違いについて詳しく解説します。

TORINIX®(トリニックス)とは?

TORINIX®(トリニックス)とは、鳥を傷つけずに建物から追い払う新しい防鳥技術です。ここではまず、具体的にどのような技術なのかを詳しく解説します。

鳥害がもたらす課題

建物では、屋上や外壁にハトやカラスが止まることで、糞による汚れや悪臭、衛生上のリスク、さらには建材の破損といった被害が多く見られます。

従来の防鳥技術との違い

こうした鳥害対策としてスパイクや薬剤などを設置する方法もありますが、建物の見た目を損なったり、鋭い部材や粘着性の高い薬剤で鳥を傷つけてしまう恐れがありました。

そこで開発されたのがTORINIX®です。TORINIX®は空気の噴出や音で、建物に飛来した鳥を追い払います。高い効果が期待できるだけでなく、建物のデザイン性も保てるのが大きな特徴です。

従来の防鳥技術との違い
実施例

TORINIX®の技術と特徴

センサー連動のエア吹出し方式

TORINIX®は、屋上の外周部に設置したセンサーがハトやカラスの接近を検知すると、自動的に空気と音を管から吹き出して追い払う仕組みです。配管には小さな穴が並んでおり、鳥がとまりやすい場所に向けてやさしい刺激を与えることで飛び立たせます。

システムはエア吹出し管、センサー、電磁弁、ベビーコンプレッサーなどで構成されています。

TORINIXシステムを構成する機器
エア吹き出し部分の詳細

鳥を傷つけず高い防鳥性能を発揮

薬剤や鋭いスパイクを使わずに鳥を追い払えるため、鳥を傷つけません。

避雷機能を兼ねたコストメリット

TORINIX®は避雷設備として必要とされる断面積(70平方ミリメートル以上)を備えており、防鳥と避雷といった2つの機能をひとつのシステムで実現できます。

別々に設備を導入する必要がなく、コストを抑えながら効率的に対策を進めることが可能です。

建物の美観を損なわないデザイン

配管を屋上の笠木に沿って取り付けられるため、地上から見上げても目立たず、建物のデザインを損ないません。従来のスパイクやワイヤーなどの防鳥設備とは異なり、建築デザインと調和しながら高い防鳥効果を発揮できるのが大きな特長です。

適用事例と防鳥効果の長期検証

TORINIX®は日新化工株式会社エイコウ製菓東金工場に導入され、長期的な効果検証が行われました。

約2年間にわたり、現場の様子を動画で記録しながら、センサーの稼働データを収集してハトやカラスへの効果を確認。その結果、鳥が飛来したすべてのケースで追い払いに成功し、毎回確実に効果を発揮することが分かりました。

さらに、設置から1年目と2年目の飛来回数を比較したところ、2年目は月あたりの飛来頻度が約75%も減少。導入直後だけでなく、長期間にわたって安定した防鳥効果を発揮することが実証されています。

エア吹出しによりカラスが飛立つ様子
TORINIX設置による効果

今後の予定

本技術は建物の鳥害の予防技術として、あるいは鳥害発生後の事後対策として、建物の種類を問わず導入可能です。鳥を傷つけず建物意匠性も損なわないという特性から、今後は屋上外周部だけでなく、駅舎内や建物併設の駐車場内部といった半屋外スペースにおけるハトやカラスの止まり対策としても導入を進めていく予定です。

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まとめ

TORINIX®は、鳥を傷つけることなく追い払えるエア吹出し式の防鳥技術です。薬剤やスパイクを使わず、建物の美観を損なわないまま、長期的に安定した効果を発揮します。

さらに避雷機能も兼ね備えており、防鳥と雷対策を同時に実現できる点も大きなメリットです。今後も鳥にも人にもやさしい技術で、自然と調和した建築づくりを進めていきます。