基礎工事を工期短縮できる「竹中コンパクトパイルキャップ」の開発~和歌山市活性化計画(第1期工事)オフィス棟に採用~
2016年11月28日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:宮下正裕)は、基礎工事において鉄筋工事、型枠工事を不要とする基礎工法「竹中コンパクトパイルキャップ」を開発しました。(特許および商標登録出願済み)
「竹中コンパクトパイルキャップ」とは、従来鉄筋コンクリート造で構築していた杭頭部基礎フーチングを鋼管コンクリート造にて構築するものです。

本工法の最大のメリットは、基礎工事において配筋工事、型枠工事が不要となるため、工期短縮を実現できる点にあります。
従来の基礎工事は、杭頭補強筋、梁配筋、基礎配筋が重なるため配筋工事が煩雑であり、その上で型枠工事を経てコンクリートを打設するという工程を要していました。本工法と鉄骨基礎梁工法を組み合わせることで、基礎工事から鉄筋と型枠が不要となり、杭打設⇒鉄骨建方⇒コンクリート打設の3ステップのみで施工が可能となります(図2)。建設中の和歌山市活性化計画(第1期工事)オフィス棟では、本工法を採用することにより、土間コンクリート打設からフーチングコンクリート打設までの基礎工事において約50%の工期短縮を実現しました。

鋼管コンクリート造である「竹中コンパクトパイルキャップ」は従来の鉄筋コンクリート造基礎と比較し、粘り強く耐震性能が高いため、サイズをコンパクトにすることが出来ます。これにより、主に最下階の柱周囲において、より自由なプランニングが可能となりました。

今回は鉄骨基礎梁を適用しましたが、今後は鉄筋コンクリート造基礎梁に対しても適用範囲を広げるべく全社的に開発し、本工法を推進していく予定です。(図4)。

図4 鉄筋コンクリート基礎梁+竹中コンパクトパイルキャップ

設置した竹中コンパクトパイルキャップ

基礎躯体施工状況写真
図5 施工状況写真

完成予想パース
建物名称 | 和歌山市駅活性化計画(第1期工事)オフィス棟 |
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建築主 | 南海電気鉄道株式会社 |
南海電気鉄道株式会社 | 事務所 |
階数 | 地上7階・搭屋1階 |
建物高さ | 33.48m |
延床面積 | 6210.55m2 |
設計・監理 | 株式会社竹中工務店 |
施工 | 株式会社竹中工務店・南海辰村建設共同企業体 |
竣工予定年月日 | 2017.3.15 |