ネメチェクグループと建設DXに関する包括連携覚書を締結建設デジタルプラットフォーム構築に向けたデータ基盤強化とAI活用を推進
2025年11月6日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:佐々木正人)は、AEC/O分野(Architecture:建築、Engineering:エンジニアリング、Construction:建設、Operation:運用)のソフトウェアソリューションを提供するNEMETSCHEK GROUP(ネメチェクグループ、本社:ドイツ・ミュンヘン)と包括的な連携に関する覚書(Memorandum of Understanding, MOU)を本年10月27日に締結しました
本連携により、当社が推進する「建設デジタルプラットフォーム」のデータ基盤構築を強化します。データ基盤強化に際しては、建築プロジェクトの計画・設計・施工・運用の全工程において、AI技術を活用することで意思決定プロセスの迅速化やプロジェクトにおけるさらなる検討時間の削減、お客様へのより多くの選択肢の提案などを実現し、品質向上と生産性向上を目指すソリューションの開発・実装を共同で進めていきます。
連携の背景と目的
当社は2021年12月に「建設デジタルプラットフォーム」構想を発表し、建設分野におけるデジタル変革の取り組みを進めています。一方、ネメチェクグループは、AEC/O業界向けソフトウェアソリューションのグローバルリーダーとして、BIM、CAD、プロジェクト管理などの分野で先進的な技術を提供し続けています。
今回の連携により、当社が培ってきた計画、設計、施工から運用までの一貫した実践的なノウハウと、ネメチェクグループの先進的なデジタル技術を融合させることで、より効率的で革新的なソリューションの開発を目指します。
連携の具体的な内容
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(1)ベストプラクティス共有
- ・定期的な知識共有セッション・ワークショップの実施
- ・計画・設計・施工・運用における手法・標準・ノウハウの共有
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(2)共同イノベーションプロジェクト
- ・AEC/O業界向けAI・クラウド型ワークフロー・デジタルプラットフォーム開発
- ・革新的ソリューションの特定、優先順位付け、実行
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(3)AIユースケース開発とデータ共有
- ・AEC/O業界に特化したAIユースケースの共同開発およびデータ共有
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(4)フィードバックと検証
- ・相互のプロトタイプ、ワークフロー、ソリューションへの検証・改善
両社の役割
| ネメチェクグループ | ・AI/クラウド/BIM技術の最新知見・動向の提供 ・先進的ワークフローや製品プロトタイプの提供 |
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| 竹中工務店 | ・建築プロジェクトの計画・設計・施工・運用ワークフローの提供 ・建築プロジェクトからの実用的フィードバック・提案 |
今後の展開
本連携により、建築プロジェクトの全工程である計画・設計・施工・運用の分野で、DX推進のための、AIを活用した革新的なソリューションの開発・実証を進めます。当社のデータ基盤である「建設デジタルプラットフォーム」の強化と併せて、プロジェクト全体でのAIを用いたDXによる品質向上と生産性の向上を目指します。
また、ネメチェクグループのグローバルネットワークを活用した海外展開における技術的優位性の確保も期待されます。
中長期的には、本連携で得られた知見を通じて建設分野全体のデジタル化促進に貢献し、持続可能で効率的な建設プロセスの実現を目指していきます。
ネメチェクグループについて
NEMETSCHEK GROUP(ネメチェクグループ)は、AEC/O業界向けソフトウェアソリューションのグローバルリーダーです。1963年にドイツで設立され、現在は世界60カ国以上で事業を展開しています。ARCHICAD、Allplan、Vectorworks、Solibri、dRofusなどの主要ブランドを通じて、設計から施工、運用まで建物のライフサイクル全体をサポートしています。
建設デジタルプラットフォームについて
当社が2021年12月に発表したDX戦略の中核となる構想で、データレイク※1とIoT・BI※2・AIが一体で機能するデータ基盤を構築し、設計・施工・維持管理の各段階で発生するデータを統合的に活用することで、建設プロジェクト全体の効率化と品質向上を目指します。
- ※1データレイク:大量のデータを一元的に集約・蓄積するためのデータ管理システム
- ※2BI(ビジネス・インテリジェンス):企業に蓄積された大量のデータを集めて分析・可視化するためのツール
