「アクティビティカード®」の適用プロジェクトが100件以上にお客様の多様な働き方・オフィスの使い方を実現するコンサルティングツール
2025年11月20日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:佐々木正人)は、オフィスなどのワークプレイス(職場空間)計画において多様化するニーズに応えるため、独自開発したお客様のご要望を引き出すコンサルティングツール「アクティビティカード®」の活用を進めています。
このツールは、言語化が難しかったワークプレイスの使い方・働き方を約100枚のカードにしたものです。お客様の潜在的なニーズと設計者が提案する空間の関係性を明確化し、お客様が求める空間の計画に役立てます。2017年の導入以来、オフィスや大学キャンパス、自治体庁舎などのプロジェクトに用いられ、適用実績が100件を超えました。
アクティビティカードの特徴
アクティビティカードは1枚が“かるた”のサイズです。現在は、オフィス版87シーン、大学キャンパス版84シーン、自治体庁舎版100シーンの3種類で構成されています。各カードには「わいわいがやがやアイデアを出す」「ひとりで集中する」「気分転換に体を動かす」のように、当社の知見により言語化したオフィスや大学キャンパスでのアクティビティ(働き方・使い方)と、イメージ写真がプリントされています。
お客様のご要望や条件を整理する要件整理(プログラミング)においては、当カードを使ったワークショップを行います。現在の働き方や新たに実現したい働き方、職場空間の使い方について議論してもらい、お客様の要望を正確に把握し、計画に反映させます。直感的にカードを選ぶ仕組みなので、特別な知識や技術を必要とせず、誰でも参加しやすい利点があります。
当カードは、知的生産性に関係する多様な働き方とレイアウト計画の対応を整理する例として、CASBEEウェルネスオフィス(※1)の評価マニュアルにも掲載されています。
開発の背景
当社は、オフィスをお客様の事業発展のための重要な資産と考え、オフィス構築に必要なプログラミングやコンサルティングを専門に行うワークプレイスプロデュース本部を、2006年から設置しています。同本部では、米国発祥の要件整理手法「プロブレム・シーキング」(※2)を、日本向けにカスタマイズし、多数のプロジェクトで適用してきました。
近年ではABW(※3)やリモートワークなどの新しいワークスタイルが普及し、お客様がワークプレイスに求める要件も多様化しているため、従来のプログラミング手法を補う新たなツールが必要となり、当カードを開発しました。2017年の導入以来、多数のプロジェクトで利用しています。お客様からは「働き方から考える機会につながった」「設計者へ想いを伝えやすい」「スピーディな合意形成に役立った」等、肯定的な評価をいただいています。
適用実績と今後の展開
当カードの適用実績事例は、「ダイキン工業本社」「伊予銀行本社ビル新南館」「三菱電機ZEB関連技術実証棟『SUSTIE®』」「デサントR&Dセンター(DESCENTE INNOVATION STUDIO COMPLEX)」をはじめとするオフィス、大学キャンパスでは「桃山学院大学あべのキャンパス」、自治体庁舎では「国分寺市役所 新庁舎」などがあります。なお、これまでの当カード適用案件のうち、13件が日経ニューオフィス賞(※4)を受賞しています。
今後は働き方の変化に応じて、お客様の実情やご希望に合わせたカードのアレンジ・メンテナンスを行っていきます。また病院やまちづくりを始めとする多様なプロジェクトへの活用も進め、お客様のニーズに寄り添った環境づくりにより、働き方改革や地域活性化などの社会課題解決にも貢献していきます。
- ※1(一財)住宅・建築SDGs推進センターによる建物利用者の健康性、快適性の維持・増進を支援する建物の仕様、性能、取組みを評価するツール
- ※21969年米国CRS社(現HOK)により開発された要件整理手法
- ※3Activity Based Working。仕事の内容に応じてオフィス内外の最適な場所を自由に選択する働き方
- ※4日本経済新聞社と(一社)ニューオフィス推進協会が主催する「ニューオフィス」づくりの普及・促進を図ることを目的とした創意と工夫をこらしたオフィスを表彰する賞
