Autodeskと建設DXに関する包括連携覚書を締結建設デジタルプラットフォーム構築に向けたデータ基盤強化とAI活用を推進

2025年12月1日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:佐々木正人)は、AECO分野(Architecture:建築、Engineering:エンジニアリング、Construction:建設、Operation:運用)のソフトウェアソリューションを提供するAutodesk(本社:米国カリフォルニア州サンフランシスコ)と包括的な連携に関する覚書(Memorandum of Understanding, MOU)を本年11月17日に締結しました。
本連携により、当社が推進する「建設デジタルプラットフォーム」のデータ基盤構築を強化します。データ基盤強化に際しては、建築プロジェクトの計画・設計・施工・運用の全工程において、AI技術を活用することで意思決定プロセスの迅速化やプロジェクトにおけるさらなる検討時間の削減、お客様へのより多くの選択肢の提案などを実現し、品質向上と生産性向上を目指すソリューションの開発・実装を共同で進めていきます。

連携の背景と目的

当社は2021年12月に「建設デジタルプラットフォーム」構想を発表し、建設分野におけるデジタル変革の取り組みを進めています。一方、Autodeskは、AECO業界向けソフトウェアソリューションのグローバルリーダーとして、設計・製造・建設分野で革新的な技術を提供し続けています。
今回の連携により、当社が培ってきた計画、設計、施工から運用までの一貫した実践的なノウハウと、Autodeskの先進的なデジタル技術を融合させることで、より効率的で革新的なソリューションの開発を目指します。

連携の具体的な内容

  1. (1)戦略的パートナーシップの形成
    1. AECO産業発展に向けた両者利益のための協業促進
    2. 持続可能な協業モデルの構築
  2. (2)実証プロジェクトの推進とデータ共有
    1. 実プロジェクトおよび概念実証(PoC)に向けた取り組み範囲の定義
    2. 革新的ソリューションの開発・検証
  3. (3)AIユースケース※1開発とデータ共有
    1. AECO業界に特化したAIユースケースの共同開発およびデータ共有
  4. (4)成果の共有と発信
    1. 両社合意のもとでのプレスリリースやセミナーでの協業成果発表
    2. 外部パートナーや研究機関との連携推進
  • ※1AIユースケース:AI(人工知能)技術が実際にどのような場面や目的で活用されるかを具体的に示した事例や適用例

両社の役割

Autodesk:
  1. 竹中工務店のデータ基盤構築支援
  2. 最新製品・機能・サービスに関する情報提供
  3. 竹中工務店からのフィードバックを活用した製品開発
竹中工務店:
  1. 建築プロジェクトの計画・設計・施工・運用ワークフローの提供
  2. 実証プロジェクトでの検証・評価
  3. 建設現場視点からのフィードバック・改善提案

今後の展開

本連携により、建築プロジェクトの計画・設計・施工・運用の各段階で、Autodesk Construction Cloud® などのAutodeskの先進的なソフトウェア技術を活用した革新的なソリューションの開発・実証を進めます。当社の「建設デジタルプラットフォーム」のデータ基盤強化と併せて、プロジェクト全体での品質向上と生産性の向上を目指します。
また、Autodeskのグローバルネットワークを活用した海外展開における技術的優位性の確保も期待されます。
中長期的には、本連携で得られた知見を通じて建設分野全体のデジタル化促進に貢献し、持続可能で効率的な建設プロセスの実現を目指していきます。

Autodesk/オートデスクについて

1982 年に設立した Autodesk は、米国カリフォルニア州サンフランシスコに本社を構え、現在世界約 40 カ国・地域で事業を展開している「デザインと創造」のプラットフォームカンパニーです。サステナブルな建築物から次世代自動車、デジタルファクトリー、最先端技術を駆使した映画やゲームにいたるまで、ありとあらゆるものづくりのデザイン・設計・創造をテクノロジーの力でサポートしています。建設、製造、メディア & エンターテインメント業界における業務の効率化・自動化を促進するソリューションを搭載したインダストリークラウドを提供するほか、部門間や業界全体の連携を実現し、業務プロセスを横断的にサポートする「デザインと創造のプラットフォーム」を展開し、イノベーターを支援しています。 

建設デジタルプラットフォームについて

当社が2021年12月に発表したDX戦略の中核となる構想で、データレイク※2とIoT・BI※3・AIが一体で機能するデータ基盤を構築し、設計・施工・維持管理の各段階で発生するデータを統合的に活用することで、建設プロジェクト全体の効率化と品質向上を目指します。

  • ※2データレイク:大量のデータを一元的に集約・蓄積するためのデータ管理システム
  • ※3BI(ビジネス・インテリジェンス):企業に蓄積された大量のデータを集めて分析・可視化するためのツール