特殊形状のプレキャストコンクリート部材製造を実現する「楽枠工法」を開発施工性・安全性の向上と計画的な工事進行を両立

2026年5月19日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:丁野成人)は、特殊な形状のプレキャストコンクリート(以下、PC)部材の製造時において、施工性と安全性の向上を実現する「楽枠工法」を開発しました。
本工法は、高強度化した木製型枠と鋼製のベッド型枠をマグネットで固定する型枠工法です。
現在、東京都中央区に建設中の「日本橋本町三井ビルディング &forest」の屋上パラペット※1に本工法を導入しました。

  • ※1建物の屋上の外周部に設けられた手摺のような壁

本工法の特長

本工法の特長は、以下のとおりです。

  1. 1.特殊形状部材のPC工場での製造による計画的な工事進行の実現
    木製型枠を高強度化したことで、在来工法で用いられるフォームタイや鋼製パイプ、セパレーターといった型枠を固定するための専用の金具や補強材が不要になり、型枠の組立作業が簡素化されます。従来は熟練の型枠工が施工していた部材の製造がPC工場で可能となります。これにより、天候や現場条件に左右されない安定した製造スケジュールを確保でき、計画的な部材供給が可能になります。
  2. 2.PC工場製造時における型枠組立の施工性・安全性の向上
    鋼製のベッド型枠に高強度化した木製型枠をマグネットによりワンタッチで固定できるため、型枠組立の施工性が向上します。加えて、木製型枠が軽いことで、技能者の身体的負担が軽減され安全性が向上します。
  3. 3.柔軟な設計対応による建築表現の拡張
    本工法により、これまでプレキャスト化が難しかった複雑な形状や意匠性の高い特殊形状においてもPC部材の製造が可能になります。設計段階での制約を軽減しながら、建築デザインの自由度を確保すると同時に、プレキャストの利点である省人化と品質の安定化を両立させます。

開発の背景

当建設業界では、熟練技能者の高齢化や技能者不足が深刻化しており、建設現場の生産性向上が喫緊の課題となっています。国土交通省が推進する「i-Construction2.0」では、プレキャスト化によるオフサイト※2施工の推進が重要施策として位置づけられています。一方、特殊な形状のコンクリート部材においては、型枠の種類を多く必要としながら製造数が少ないのが現状でした。そのため、従来の建設現場でのコンクリート打設による施工が一般的であり、プレキャスト化の障壁となっていました。

  • ※2建設現場以外の工場等で部材やユニットを製造・組み立てし、現場では据え付けのみを行う手法

今後の展開

現在、本工法の適用範囲は外壁や屋上パラペット、バルコニーなど比較的厚みの薄い部材としていますが、今後、柱や梁といった構造部材への展開を推進し、さらなる生産性向上に貢献していきます。

「日本橋本町三井ビルディング &forest」建築概要

建築主 三井不動産株式会社
建物用途 事務所、研究所、店舗
延床面積 28,000m2
階数 地下1階、地上18階
構造 木造+鉄骨造
設計・施工 株式会社竹中工務店
竣工(予定) 2027年1月
日本橋本町三井ビルディング &forest