神奈川県産の木材を使用したハイブリッド木造仮設事務所を開発し、GREEN×EXPO 2027の作業所で初適用
2026年6月16日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:丁野成人)は、建設現場の環境性能と快適性を両立するハイブリッド木造仮設事務所を開発しました。本施設は、2027年に横浜市で開催される2027年国際園芸博覧会(正式略称:GREEN×EXPO 2027)の当社グループ展示施設の建設現場において初適用しました。地産地消の取り組みとして神奈川県産の木材を使用し、利用者の行動調査を通じて働きやすく生産性の高い現場環境の実現を目指すためのモデルケースとします。
- ※1GREEN×EXPO 2027向けに開発した木造仮設事務所
開発の背景
建設現場における仮設事務所は、軽量鉄骨造ユニットのリース品が主流であり、職場環境としての性能や快適性は、十分に評価されてきませんでした。そこで当社は、働きやすく生産性の高い現場環境の実現に向け、2025年4月から木造仮設事務所の開発に着手、2026年6月8日から使用を開始しました。本施設では、柱・耐震壁などの構造部材に加え、床・天井・外壁にも木材を使用しています。GREEN×EXPO 2027の建設現場においては、製作・リース・運搬・運用・分解・補修・保管までを含めた持続可能な体制の構築をモデルケースとして検証します。
開発のポイント
① 森林グランドサイクル®※2
本施設は、地産地消の取り組みとしてGREEN×EXPO 2027の開催地である神奈川県産材を使用し、丸太の辺材などの未利用材の活用を促進します。仮設事務所としての使用後は、カスケード利用やアップサイクルを前提とし、廃棄物を出さない資材の循環を目指します。具体的には、他現場での再利用や建物・家具への転用、バイオマス燃料としての活用などを想定しています。
② 水循環型手洗いスタンド
給排水インフラを必要としない水循環型手洗いスタンドを初導入しました。従来、インフラの整っていない場所ではポンプ車による給水が一般的であり、衛生面や運用効率に課題がありました。この装置では、最初に給水した20Lの水をAIでモニタリングし、効率的に水の浄化と再利用を行います。これにより、衛生性を確保し、作業員の快適性向上と就労環境の改善に貢献します。
③ 木質空間と働きやすさ
木質空間の採用により、働きやすく生産性の高い職場環境の実現を目指します。木材には心理的ストレスの低減や集中力の維持に寄与する効果があるとされており、視覚的・心理的なリラックス効果が期待できます。また、テラスを設けることで、交流・対話・休息・集中など多様な働き方に対応する柔軟な空間構成としました。工事期間中は、利用者の行動調査を実施し、木質空間がもたらす効果を検証します。
④ 省エネルギー性能の向上と木造化によるホールライフカーボンの削減
木造化とZEB Ready相当の性能により、環境負荷の低減を図ります。運用時は一次エネルギー消費量50%削減することを目標とし、快適性と省エネルギー性能の両立を目指します。さらに、木材による炭素固定効果により、資材製造から建設、運用、解体・再利用までを含めたホールライフカーボンの約50%削減を想定しています。
- ※2当社は、森林資源と地域経済の持続可能な好循環を「森林グランドサイクル」と名付け、その構築に向けて、林業事業者・各⾃治体など各方面のステークホルダーと連携を進めています。木のイノベーションにより、森林資源が建設市場で活用されることで、より活発な経済と資源の循環が期待されます
協力企業
| DLTパネル/木工事製作 | 株式会社長谷川萬治商店 |
|---|---|
| 再生アルミサッシ(PremiAL R100)提供 | 株式会社LIXIL |
今後の展開
将来的には、サーキュラーデザインビルド®※3の実現を目指し、本取り組みを通じて得られた知見を活かしながら、木造仮設事務所を他の建設現場へ展開していきます。
- ※3サーキュラーエコノミーを実現するために当社が提唱している、建築物の設計及び施工段階でリユース・リサイクル建材の選択や、解体を考慮した設計手法検討などへとつなげる考え方と実践に関する取り組みを称するもの
| 構造・規模 | 木造+鉄骨造、平屋 |
|---|---|
| 木造+鉄骨造、平屋 | 33m2 |
| 間取り | 執務室1室、トイレ・更衣室・倉庫等2室 |
