電力におけるCO2排出係数の将来変化シナリオ「C.FACTOR®」を開発運用時と建設・解体時のCO2排出量の割合を評価しホールライフカーボン削減をサポート

2026年6月29日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:丁野成人)は、公益財団法人地球環境産業技術研究機構RITE(理事長:山地憲治)と共同で、電力におけるCO2排出係数※1(kg-CO2/kWh)の将来変化シナリオ(推計値)「C.FACTOR」を開発しました。
今回開発した「C.FACTOR」により、電力におけるCO2排出係数の将来変化を見据えた「建物運用時」と「建設・解体時」のCO2排出量の割合を評価します。これにより、お客様のホールライフカーボンの総量削減にむけて、「C.FACTOR」を建物の新築・改修計画時にお客様へ提案していきます。

  • ※1CO2排出係数:単位エネルギー当たりのCO2排出量であり、空調や照明の電力消費量等に乗じCO2排出量を算出するため、ホールライフカーボン評価に使用する重要な数値です
電力におけるCO2排出係数の将来変化

開発の背景

脱炭素社会の実現に向け、建物のCO2排出量削減が急務

住宅・建築物関連から排出されるCO2は世界全体で約3割を占めるため削減が急務です。建物におけるCO2排出量は、建設から運用、解体まで、すべてのライフサイクルで建物が排出するCO2(ホールライフカーボン)として評価されます。従って、建設・解体時と、建物運用時の両方のCO2の削減が重要となります。

将来の電力CO2排出係数が明確でなかった

ホールライフカーボンの中で半分以上を占める、建物運用時のCO2排出量は、消費電力量に電力CO2排出係数を乗じることで算出されます。従来は、将来の電力におけるCO2排出係数シナリオがなかったため、計画時点のCO2排出係数をライフサイクル期間全てに用いることが一般的でした。
電力供給技術の進展に伴い今後のCO2排出係数は減少傾向となることが見込まれます。これにより建物運用時におけるCO2排出量が変化し、建物計画時点でのホールライフカーボン削減方針が変わることとなります。

「C.FACTOR」説明動画はこちら

「C.FACTOR」の特長

C.FACTORは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書や日本政府のエネルギー・気候変動政策の立案に活用されている解析モデル※2を用い、代表的な将来シナリオに基づき、2100年までの電力におけるCO2排出係数を推計しています。
ホールライフカーボン評価において特に判断に影響を与えるものを抽出し、以下の3つの将来シナリオを設定しています。

高排出シナリオ :

各国の温室効果ガスの削減が進まず従来評価に近いシナリオ

中間的シナリオ :

現時点における各国の枠組みから可能性が高いと示唆されるシナリオ

最良シナリオ :

パリ協定で目標とされる地球の平均気温上昇を2℃以内に抑えることを前提とした様々な取組みが実施されたシナリオ

  • ※2参考文献:K. Akimoto et al., Scenario analyses of Japan's energy systems toward net-zero emissions by 2050 and the Japanese Government's 7th Strategic Energy Plan, Energy Strategy Reviews, 101917 (2025)
C.FACTORにおけるシナリオ概要
C.FACTORにおけるシナリオ概要

「C.FACTOR」を活用したホールライフカーボン評価・削減

電力CO2排出係数の将来変化シナリオに基づき、建設・解体時と運用時のCO2排出量を相対比較し、総量を評価します。最良シナリオ(急速減少)では、建設・解体時の削減の重要度が相対的に高まります。一方、高排出シナリオ(上振れ)では、運用時の削減の重要度が高まります。
今後、お客様とともに将来変化シナリオを選択しながら、不確実性を有する未来に対し柔軟にホールライフカーボンの評価・削減を推進します。

ホールライフカーボン評価の比較

「C.FACTOR」データの公開

当社はこの度、社会全体で気候変動対策に取り組むことが重要であると考え、「C.FACTOR」の一部のデータを公開します。
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