人とモノの移動手段を「自動配置」する新たな街区サービスを実証~大阪城東部地区(UR森之宮ビル「ほとりで」等)における実証実験※1~
2026年10月26日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:丁野成人)は、共同実施企業4社※2とともに、「シェアマイクロモビリティの自律自動・遠隔操作ロボット牽引※3によるラストマイルの新たな移動・搬送サービスの確立に向けた実証実験」を9月17日(木)にUR森之宮第2団地で実施しました。
近年、高齢化の進行などを背景に、街区内の短距離移動や荷物搬送など、いわゆる「ラストマイル」における新たな移動・物流手段の確立が求められています。
一方、移動手段としてのシェアモビリティの普及も進んでおり、これらを活用した新たな移動手段・輸送サービスへの期待が高まっています。そこで当社は、マイクロモビリティを自律自動・遠隔操作ロボットで自動牽引する機構、移動・搬送手段を自動配置するシステムを開発し、街区ラストマイルの新しい移動・搬送サービスの確立に向けた検証を行いました。
実証実験の内容
実証実験では、①電動3輪立乗り・4輪座乗りマイクロモビリティ移動走行検証、②シェアモビリティの呼出・乗捨て~自動再配置を可能にする、自律・遠隔制御ロボットによるマイクロモビリティ牽引検証、③遠隔制御ロボットによる荷物自動搬送検証を実施しました。
団地住民を含む約30人の応募者に①~③を団地内にて実際に体験いただき、「高齢者にも優しく荷物が乗るモビリティで安心・便利」「電動モビリティがシェアできると置き場所に悩まない」「重い荷物を自宅まで運んでくれるのはありがたい」などの意見が寄せられ、好意的な評価を得ました。
なお、本実証実験で用いた遠隔操作ロボットは、当社・アダワープジャパンで共同実証中の、スズキ製多目的電動台車「MITRA」をベースとし、屋外の建設現場や、牽引作業を対象とした遠隔監視・遠隔操作ロボットです。建設段階における移動・搬送を円滑化する技術を、まちの運用段階へ展開し、ラストマイルの課題解決を目指しています。(呼称「つながりMaaS®」)
- ※1大阪商工会議所とUR都市機構が主催する、大阪城東部地区にあるUR森之宮ビル「ほとりで」、UR森之宮団地、UR森之宮第2団地を活用し、企業・団体の先端技術などにより「さまざまなくらしのカタチ」を体現する実証実験。全国から寄せられた9件の提案のうち5件を実証実験実施案件として採択。 当社の提案は、そのうち2件が採択されました。
大阪城東部地区実証実験公募時プレスリリース(2025年12月15日)
大阪城東部地区実証実験実施案件決定 プレスリリース(2026年4月8日)
「シェアマイクロモビリティと自律自動・遠隔操作牽引ロボットによるラストマイルの新たな移動・搬送サービスの確立に向けた実証実験」実施プレスリリース(2026年8月19日)
- ※2共同実施企業:スズキ株式会社、株式会社ストリーモ、株式会社山善、アダワープジャパン株式会社、スズキは同社開発中の電動4輪座乗りマイクロモビリティ「スズライド2」、ストリーモは同社販売中の電動3輪立乗りマイクロモビリティ「ストリーモS01JTA改(被牽引対応改造版)」、山善は牽引・被牽引機構の製造・組込及び工場・倉庫向け自律自動ロボット「YAMAZEN AMR(MITRAベース・自動牽引機構付)」、アダワープジャパンは遠隔操作ロボット(本文説明参照・自動牽引機構付)をそれぞれ担当して実証実験に参画。
- ※3自律自動:自律走行AMRで自動着脱して牽引、遠隔操作:遠隔監視制御システムにより人が遠隔操作して牽引
モビリティハブ※4を核としたシェアモビリティサービス展開のセミナーを開催
実証実験に先立ち、9月15日(火)に、モビリティハブを核としたシェアモビリティサービスをエリア活性化にどう繋げるかを議論するセミナーをUR森之宮ビル「ほとりで」にて開催。マイクロモビリティ・牽引ロボットの実機を展示しながら、地域活性化に繋がる持続的なモビリティハブについて有識者※5から研究・実践事例を交え講演いただき、スマートシティにおける先進的なハブの構築・展開に向けてディスカッションを行いました。
有識者からはまちの商圏や人や車の流れを分析した上で「まちのツボ」となる複数場所に適切な機能のハブを設置することの重要性が示され、これからのまちづくりにおける「コミュニティ拠点」としてのモビリティハブに期待が集まり、活発な意見交換が行われました。
- ※4モビリティハブ
公共交通機関やシェアモビリティ等複数のモビリティの結節の拠点。モビリティ利用者が集まる場である特性を活かし、キッチンカー広場や交流空間等のパブリックスペースを併せて設置することにより、乗換抵抗の低減につながると共に、イベント等の実施による賑わいの創出や地域のコミュニケーションの場となる。(国土交通省 都市局) - ※5有識者による講演
大阪公立大学 大学院生活科学研究科 准教授 加登 遼 「まちの活性化拠点としてのモビリティハブ」株式会社AMANE 取締役 齊藤 せつな「モビリティハブ構築の取組み」
今後の展開
新たに開発した自動牽引機構により、様々なモビリティや搬送機器などの自動配置が可能となります。
従来課題であった、シェアモビリティのポートを探して利用・返却する手間や、人による再配置作業を軽減し、高齢者をはじめコミュニティでモビリティをシェアして活用しやすい環境の実現を目指します。
当社は今回の実証実験及びセミナーで得られた知見を基に、これまでのビルを中心とした街区開発や再整備に加え、モビリティハブなどを核としてシェアモビリティやロボットを導入・活用しやすい街区とすることで、ラストマイルにおける移動・搬送や買い物支援などの生活サービスの最適化を図り、高齢化・人口減少・人手不足など地域課題解決に貢献することを目指します。
