既製コンクリート杭工事に、低炭素「ECM®セメント」を初適用~材料由来のCO₂排出量6割削減を実現~

2026年10月30日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:丁野成人)は、既製コンクリート杭工事※1における根固め液※2および杭周固定液※3のセメントに、環境配慮型の低炭素セメント「ECM®セメント」(エネルギー・CO2ミニマムセメント)を初めて適用しました。「(仮称)星が丘ボウル跡地プロジェクト」における一期A区複合ビル新築工事(愛知県名古屋市)の杭工事の一部に使用し、一般的な普通ポルトランドセメントを使用した場合と比較して、材料由来のCO2排出量において約6割の削減を実現しました。
当社は、建物の建設時から運用に至るまでのCO2削減をはじめとした環境負荷低減に取り組んでいます。今回の既製コンクリート杭工事への「ECMセメント」の適用をはじめ、さまざまな技術の活用によりCO2削減対応をさらに拡大・強化します。

  • ※1既製コンクリート杭工事:あらかじめ工場で製造されたコンクリート製の杭を、掘削した孔に建込んで設置する杭工事。建物の基礎を支える重要な工事
  • ※2根固め液:杭先端部付近に充填されるセメントミルク
  • ※3杭周固定液:杭軸部に充填されるセメントミルク

取り組みの概要

当社は、鉄鋼製造の副産物であり製造プロセスで焼成が不要な高炉スラグの微粉末を活用することで 、材料由来のCO2排出量を大幅に削減できる「ECMセメント」を展開してきました。既製コンクリート杭工事におけるCO2削減に向け、これまで適用例のなかった「根固め液」および「杭周固定液」へECMセメントを導入するための技術検証を重ねてきました。
このたび、三谷セキサン株式会社(社長:三谷 進治)の国土交通大臣認定工法「Hybridニーディング工法」の根固め液・杭周固定液に、「ECMセメント」を採用しました。

ECMセメント適用箇所概念図
ECMセメント適用箇所概念図

本適用のポイント

  1. 1.CO2削減の実現
    既製コンクリート杭工事における根固め液・杭周固定液にECMセメントを適用することで、一般的な普通ポルトランドセメントを使用した場合と比較して、根固め液・杭周固定液から生じる材料由来のCO2排出量を約6割削減できます。
  2. 2.全国供給体制
    西日本エリアは工場配合の「プレミックス」、東日本エリアは現場配合の「ポストミックス」を採用し、当社・他社設計を問わず、全国のプロジェクトで適用可能です。

適用概要

項目 内容
適用プロジェクト 「(仮称)星が丘ボウル跡地プロジェクト」内 一期A区複合ビル(杭工事の一部)
建築地 愛知県名古屋市千種区星が丘元町16-45
適用工法 Hybridニーディング工法(三谷セキサン株式会社 大臣認定工法)
主な効果 材料由来のCO2排出量を約6割削減(普通ポルトランドセメント比)

今後の展開

既製コンクリート杭工事は、多くの建物の基礎工事で採用されています。今後は本工法を積極的に提案し、ECMセメント自体の流通量を増加させることで、市場へのさらなる普及を推進します。
当社は、ECMセメントのCO2削減機能を基盤として、CO2の固定・吸収技術を組み合わせたカーボンネガティブ技術CUCO®の社会実装に向けた開発も進めています※4。これにより低炭素からカーボンネガティブへと段階的に対応していきます。

  • ※4竹中工務店、鹿島建設、デンカが、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業のもとで進める技術開発プロジェクト。ECMセメントによるCO2排出量の「削減」に、CO2の「固定」「吸収」技術を組み合わせ、社会実装を目指す。