Solution
驚異の疲労耐久性を有する合金で地震エネルギーを吸収
-FMS合金
 制振ダンパー-
Fe-Mn-Si系耐疲労合金制振ダンパーの
バリエーション追加

制振ダンパーの素材として現在一般的に使われている鋼材*¹に比べ、疲労耐久性を約10倍に高めたFe-Mn-Si系耐疲労合金*²(特許登録済)を用いたブレース型の制振ダンパーを竹中工務店、物質・材料研究機構、淡路マテリアにて共同開発しました。

開発した制振ダンパーは、長周期・長時間地震動対策技術として共同開発し、2014年に「JPタワー名古屋」へ適用したせん断パネル型制振ダンパーをブレース型としたもので、大型部材を大量生産する製造技術と鋼材との溶接技術の確立により実現しました。汎用性が高いブレース型ダンパーの追加により、ダンパーの設置バリエーションが増加し、一般建物から超高層建物までさまざまな空間プランに対応できるようになりました。

  • 1 LY225等の制振用鋼材および建築構造用の一般鋼材
  • 2 Fe:鉄、Mn:マンガン、Si:ケイ素
ブレース型制振ダンパーの取付状況と詳細
せん断パネル型制振ダンパー(2014年開発)

適用プロジェクト

本制振ダンパーを適用した愛知県国際展示場の西棟は、100mx100mの無柱空間の展示ホール、会議室を有する建物であり、大きな重量を100mの大スパンで支持する特殊な構造です。特に、建設地は南海トラフ地震で想定される震源に近いことから、余震も含めた多数回の大振幅・長時間地震動を受ける可能性を考慮し、事業継続性を維持するために耐震性能余裕度を大幅に向上させる必要がありました。
そこで、外周部に円形鋼管と充填モルタルで座屈拘束するブレース心材にFe-Mn-Si系耐疲労合金を使用(部材長約6m、最大分担荷重約2000kN)した本制振ダンパーを16本採用しました。

愛知国際展示場および西棟展示ホールにおけるダンパー設置位置

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