環境配慮

近年、環境課題が深刻化し、建築分野においても持続可能な社会づくりが求められています。環境は建物をつくる過程や運用のあり方に大きな影響を与えるため、省エネや脱炭素、資源循環、自然との共生といった視点を取り入れた取り組みが欠かせません。

本記事では、木造・木質建築による耐震や大規模化技術、省エネを実現するZEB対応などについて説明し、建築における環境配慮の取り組みを紹介します。

環境と調和する空間を創造し、サステナブル社会の実現に貢献

地球温暖化や気候変動、資源の枯渇、生物多様性の喪失など、環境に関する問題は早急な対応が求められる大きな課題です。これらに対応するには、社会や経済の発展と同時に、環境に配慮した技術やサービスを積極的に取り入れていくことが必要です。

当社では、1971年に「設計に緑を」という言葉を掲げ、建物と自然を調和させる取り組みを早くから続けてきました。現在では、脱炭素社会や資源循環型社会、自然と共生する社会を目指し、お客様や地域の皆さまと対話を重ねながら、さまざまな課題解決に取り組んでいます。

こうした取り組みを通じて、持続可能な社会(サステナブル社会)を実現するためのソリューションを提供しています。

  • 木造建築・木質建築

    木造建築・木質建築
    大規模化・高層化を実現する技術や木を使った耐震補強技術、実績を紹介します
  • 脱炭素・省エネ

    脱炭素・省エネ
    汎用的な技術でゼロ・エネルギービル(ZEB)を実現するソリューションや、省エネ技術を紹介します
  • 資源循環

    資源循環
    廃棄物やリサイクル材料の活用など、サーキュラーデザインビルドを推進する技術を紹介します
  • 自然共生

    自然共生
    自然の機能を活用し、ネイチャーポジティブ達成に貢献する技術を紹介します

環境配慮とは

環境配慮とは、建物をつくったり利用したりする際に、自然環境への負担をできるだけ減らし、将来につながる社会を目指す考え方です。設計・施工・運用・改修・解体といった建物のライフサイクル全体において、省エネや資源の節約、リサイクル可能な材料の活用、廃棄物の削減などに取り組むことが求められます。

例えば、断熱性の高い建材を用いて冷暖房に必要なエネルギーを抑える工夫や、太陽光や風を効果的に取り入れる設計、さらには雨水を再利用する仕組みなどが挙げられます。

こうした取り組みは「グリーンビルディング」や「サステナブル・デザイン」とも呼ばれ、環境への負荷を減らすだけでなく、建物を利用する人々が健康で快適に過ごせる空間を実現することにもつながります。このように環境配慮は、地球に優しいだけでなく、人々の暮らしの質を高める考え方なのです。

企業が実践できる環境配慮の取り組み

現代の企業には、利益の追求だけでなく環境への配慮も求められています。気候変動や資源不足、生物多様性の危機といった課題に対応するためには、自社の活動を根本から見直さなければならない場合もあるでしょう。

ここでは、企業がすぐに取り組める5つの方法を紹介します。

事業で使うエネルギー効率を改善する

最初に取り組みやすいのは、省エネ設備の導入です。たとえば、高効率のモーターやインバーター制御の機器に入れ替えることで、消費電力を大幅に減らせます。業務の流れを見直し、機械の待機や不要な稼働を減らす工夫も効果的です。

再生可能エネルギーを積極的に使う方法もあります。自社の敷地に太陽光パネルを設置したり、風力や地熱、バイオマスを利用したりすれば、化石燃料への依存を減らすことができるでしょう。さらに、購入する電力を「グリーン電力」に切り替えるのも有効です。

製品の材料には持続可能な資源を使うようにする

製品や包装の素材を持続可能な資源に切り替えることも、環境への負担を減らすための大切な取り組みです。たとえば、当社では、建物の構造材や仕上げ材に、持続可能な資源を積極的に採用しています。

素材を選ぶときには、製造過程でどれだけ二酸化炭素を排出するか、水をどれくらい使うか、どの程度の廃棄物が出るかといった点も考える必要があります。そのため、調達から製造、流通、使用、廃棄までを一つの流れとして見直す「ライフサイクルアセスメント(LCA)」を導入する企業も増えています。

温室効果ガスの排出量を削減する

温室効果ガスの削減は、地球全体にとって最も重要な課題の一つです。企業に求められるのは、まず自社から出る排出量をきちんと把握し、その数値をもとに削減目標を立てることです。

その上で、製造や物流の仕組みを見直し、省エネや効率化を進めることが必要です。たとえば、高効率な機械に更新したり、熱を再利用するシステムを導入したりする方法があります。物流面では、電動車やハイブリッド車の導入、輸送ルートの見直しなどによって排出量を減らせます。

廃棄物を減らし再利用やリサイクルをする

企業の活動ではさまざまな段階で廃棄物が出ますが、ただ捨てるのではなく、再利用やリサイクルに回す仕組みをつくることが求められます。基本的な取り組みとしては、製造現場やオフィスで出る紙、プラスチック、金属、電子部品などをしっかり分別し、再資源化しやすい状態に整えることが大切です。

さらに、製品を開発する段階から「どうすれば廃棄しやすいか、再利用しやすいか」を考える企業も増えています。これは「環境アセスメント」や「エコデザイン」と呼ばれ、素材の選び方や構造設計、分解のしやすさなどを工夫する方法です。こうした設計を取り入れることで、廃棄時に資源を再活用できる可能性が高まります。

まとめ

地球温暖化や資源枯渇、生物多様性の喪失といった環境問題は、企業にとって避けて通れない課題です。

当社は「設計に緑を」という理念を掲げ、早くから建物と自然の調和を追求してきました。現在は、脱炭素や省エネ、資源循環、自然共生といった幅広いテーマに取り組み、社会や地域に貢献しています。