建物基礎に「CUCO®-CO2固定地盤改良」を初適用-物流施設の新築工事でCO2排出量を15%削減-

2026年4月17日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:丁野成人)は、鹿島建設、デンカとともに、NEDO※1のグリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクト(以下、本事業)を実施するコンソーシアム「CUCO®(クーコ)」の幹事会社として、コンクリートの製造過程で排出される二酸化炭素(CO2)排出量が実質ゼロ以下となるカーボンネガティブコンクリート※2の技術開発を進めています。
今般、竹中工務店は、本事業の成果として、コンクリート解体ガラから再生した微粉を炭酸化したCO2固定微粉(CCU※3材料)を活用した地盤改良技術「CUCO-CO2固定地盤改良」を、福岡県古賀市で建設中の物流施設「古賀ロジスティックスセンター」の新築工事に適用しました。

  • ※1NEDO:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
  • ※2カーボンネガティブコンクリート:製造時のCO2排出量よりCO2削減・固定・吸収量の方が多いコンクリート
  • ※3CCU材料:CCUはCarbon Capture and Utilizationの略で、本開発ではCO2を資源として活用(固定)して製造されたコンクリート用材料のことを指す
古賀ロジスティックスセンター完成イメージ
古賀ロジスティックスセンター完成イメージ

技術の概要

地盤改良技術は、構造物を支えるため、もしくは斜面の安定性向上などのため、地盤の強度を向上させる技術です。日本では、セメントを用いた地盤改良が主流で、年間800万t程度のセメントが地盤改良に使用されており、地盤改良用を含むコンクリート系用途全体で使用されるセメント量の約20%を占めています。地盤改良構築時のセメントに由来するCO2排出量は1m3あたり100~150kgと大きく、地盤改良分野においても脱炭素社会の実現に向けた抜本的な削減、すなわちカーボンネガティブ化が求められています。
CUCOが開発するカーボンネガティブコンクリートは、CO2を「削減・固定・吸収」する技術を組み合わせたものです。このうち、「CUCO- CO2固定地盤改良」はCO2を「固定」する技術です。本技術は、コンクリート解体ガラや地盤改良解体材に含まれるカルシウム分とCO2を反応(炭酸化)させて固定し、その生成物を地盤改良材用の微粉(CCU材料)として再利用することで、材料中にCO2を長期的に貯留する技術です。

施工内容と成果

「古賀ロジスティックスセンター」において、物流センターに付属する防火水槽を支える柱状の地盤改良体約80m3(直径1.2m、長さ8.0m)のうち、約20m3に「CUCO-CO2固定地盤改良」を適用しました。
施工完了後の圧縮強度や六価クロム溶出試験等の品質調査の結果、構造物を支える地盤改良体として想定通りの性能を満足していることを確認しました。
また、本工法の適用により、1m3あたり約16kgのCO2を固定し、一般的な地盤改良工法と比べてCO2排出量を15%削減しました。これは2024年1月にリリースした大型重機用仮設走行路への初適用時の5%削減と比べ、技術改良によりCO2削減効果がさらに向上しています。

CUCO-CO2固定地盤改良の施工状況
CUCO-CO2固定地盤改良の施工状況

今後の展開

今後は、「CUCO-CO2固定地盤改良」の長期的なデータ収集を進め、2030年には液状化抑止などに用いる地盤改良への適用拡大を目指します。
CUCOはNEDOと一体となって、CO2削減・固定・吸収技術の開発、改良に取り組み、カーボンネガティブの実現を通じて、脱炭素社会への移行に貢献します。



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